☆空想代理日記☆
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いままで内緒にしてあることがあった。不逞者は2千万年前までアルコールの神様をしていたことだった。
現世では、背中の白い翼を失い人間の姿になった生まれ落ちた不逞者はアルコールを回収しなければならない使命があった。いや、天命でもあった。
大袈裟な冒頭であるが、つまりはお酒を呑んで二日酔いになって目醒めた時に青いポリバケツのなかに上半身があったということである。
それから昨日は「8」のつく日だった。ゾンビが新鮮な人間の肉を求めるようにTSUTAYAに突入した。
店内には、くしゃみをした勢いでおならもしそうな人がいた。ものすごい巨大な躰だった。
その彼は鼻息が荒かった。そして狭い通路を無理やり歩いた。ほかのお客さんの背中に自分の背中をこすりつけるように歩き、鼻息がすごいのだった。
「ああ、この人は変態なんだな」
こんなことを考えながら不逞者はDVDを物色していた。
しばらくすると、変態な彼が不逞者のほうに接近してきた。変態が1歩接近すると不逞者は2歩遠ざかった。
こんなところで不逞者の人間関係における距離感が役にたつとは思わなかった。
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