☆空想代理日記☆
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昨日は、ずいぶん昔に手に入れた手首に巻くおもりをつけて生活した。ひとつ2キロもした。ちょっとした未熟児を2人も手首にぶらさげているようだった。
しばらくすると信じられないくらい手首が重くなった。このまま眠れば、寝返りをうつこともできなくなるように思える。それくらいに固定されてしまっていた。
もちろん食事の時は手首があがらず、監禁されている人かもしくは野良犬のように口だけで喰べた。普段よりも鼻を近づけて喰べるので、まるで食材に囲まれているかのような錯覚をおこす。
手首のおもりを外してみたが、あまりの軽さに、自分の手首ではないようだった。
テーブルの上に放置してあるリモコンを手に取りすばやく元に戻してみた。人間の視覚ではとらえられない速度でである。
マードレが近くにいたので不逞者の修行の成果をみせてあげた。もちろん、リモコンの速戻しである。マードレは「まあ〜」とか「ちょぉ〜ん」とか言いながら信じられない表情を浮かべていた。
そしてマードレが「それって、実は、何もしてないだけじゃないのかね?」と言った。そこで不逞者、黙秘することにしたのだった。
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