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 お婿にいった四+カカのお話
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2008年07月02日(水)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 20) Side K


ちょうど、ひと眠りしたころ、テンゾウが身じろぎ、オレも目を覚ます。
晩秋のやわらかな朝の陽が庭を照らしている。とはいえ、農業を主体とした村はとっくに活動を開始していた。
「すぐ、朝飯にしますね」
照れくさいのだろう、テンゾウはオレの顔をロクに見もせずに布団から起き上がった。
「すすぎは、その甕の水を使ってください」
オレは土間に降り、金だらいに水をすくい、顔を洗い口を漱ぐ。残った水は庭にまく。
と、低い生垣の向こうに、昨夜、村長の家で見た使用人の姿が見えた。
従者をひとり従えた彼は、会釈すると「トキさま」と声をかけた。土間からテンゾウが顔を出す。
「長から命じられて、朝餉をお持ちしました」
え? とオレはテンゾウを顔を見合わせる。
「よろしいでしょうか?」
「え? あ、はい」
テンゾウは来訪者を土間に通した。
風呂敷を解くと小ぶりな重箱が現れ、蓋を開けると煮しめや香の物、握り飯などがぎっしり詰め込まれていた。
「取り急ぎ、今朝はこれでおしのぎください、との主からの伝言です」
テンゾウは猫目をいっそう見開いて、弁当と使用人を代わる代わる凝視した。
そして、オレを振り返り、また弁当を見た。
「あの……何か、お気に召さないものが?」
「いえいえ。破格のご配慮、いたみいります」
石と化したかのようなテンゾウに代わり、オレは頭を下げた。
彼はほっとしたように笑うと、「夕餉には、また何かお持ちしまうので」と一礼するときびすを返す。
オレはテンゾウの代わりににこやかに礼をして、見送った。

「先輩……」
「ん〜?」
「こんな……の……初めてなんですが」
「あ、そ」
「何か、しましたか?」
うろんな眼差しに、苦笑する。オレが恫喝でもしたみたいだ。
まったく、こいつにとってのオレってなんなのよ、とぼやきたくなる。
「昨日、長が『食事も不自由ないように手配する』と、おっしゃってたでしょ?」
「はあ、まあ、そう言えば」
テンゾウは重箱を持ち上げ、くんと臭いを嗅いだ。
「大丈夫そう……ですが」
今度は、そっちの心配ですか、やれやれ、と内心でため息をついていると、どうします、と目線で問いかけてくる。
「ま、大丈夫でしょ? それに、毒を食らわば皿までも、と言うし」
と答えると、テンゾウはようやく吹っ切れたような表情を見せた。
「そうですね。先輩やボクを暗殺するなら、もっと効果的かつ的確な方法もあるんですから」

思いのほか豪華になった朝食を終え、オレたちは家を出た。
テンゾウは、このまま「守り番」に就くというので、見慣れた暗部装束にヘッドギアを装着している。
木の葉の里の印を横一文字に切る刀傷に、わかっていたこととはいえ、胸の奥がざわめいた。
これはもう生理的なもの、としか言いようがない。
当のテンゾウは、いつもと変わらぬ表情だった。まったく、たいしたタマだ。
オレは正規の忍服だが、額宛をするのはやめた。この村で無傷の額宛をするのは気がひけたからだが、考えてみれば、それもおかしな話だ。
正義などというものは、その背景となる価値観によって容易に変わるものだということを、オレは改めて実感した。
そんなオレの心情を知ってか知らずか、テンゾウは気軽な様子で、
「とりあえず、山に入ります」
と歩を進め、オレたちは村を懐に抱くように位置する裏山に分け入った。
なるほど、そのほうが早く移動できるし見通しも効く。それに。
「おそらく長から何か触れが出ているとは思いますが、あまり村のひとたちと顔をあわせないほうがいいでしょう」
同意の印にオレは頷いて、テンゾウのあとを追った。

昨日訪れた長の家をやや右手に見る位置から村を見渡す。
「村長の家を囲むようにあるのが、守り番の長の住まいです。そこから離れて、ボクたち守り番がそれぞれ自分たちが守る方角に近い辺りに点在しています」
遠く南に見えるのは湖らしい。そこにむかって土地は緩やかに傾斜し、山に近いほうには畑地が広がっていた。南側の田は稲の刈り取りも終わっているようだ。一部では牧畜も行われている。東南の山の一部は段々畑になっており、見たところやはり採り入れを終えた果樹の木々なども認められた。
気候は悪くないのだろう。外の地域と交易のできない閉ざされた村で、なるべく多くの食材を調達しようと工夫されていることがわかる。
オレが飛んできた元の村も似たような土地柄だったが、やはりこの村とは違う。
確かに二つの国に翻弄されはしたが、決して、閉ざされた場所ではない。もちろん、よその土地との交易もあるから、狭い土地でごちゃごちゃといろいろな作物を育ててはいなかった。
そんなオレの考えを見透かすように、テンゾウが言葉を継ぐ。
「牧畜や果樹の育成は、酒造りなどと同様に、この村では特殊技能になります。こうした家は技術が絶えないように特別に保護されています」
「教育は?」
「学校はありません。でも、地域ごとに子どもに読み書きを教えたりする役目の者もいます。忍の資質を持って生まれた子への指導などは適宜」
「あの、モズって子は?」
「ゲンブ、北の守り番の長ですが、彼から頼まれてボクが見ています」
ふうん、と相槌を打ちながら、再度、村を眺めた。
「で、あそこが発電所で、余熱を利用した浴場がその少し先にあります。24時間無料で利用できます」
1週間、ここにいるとなったら、お世話になることもあるだろう。
「ん、わかった」

「じゃ、ちょっと、移動しましょうか」
テンゾウはさらに山を登った。ここは、昨日、テンゾウと出会った場所、と思ったときには、老木の枝に立った男の姿が見えた。彼はテンゾウを振りかえると「よう」と手をあげ、オレに会釈をした。
「ここが、ご存知のとおり東の結界です」
同じ手順で、北、西、と山を回り、それぞれの守り番と挨拶を交わした。
どうやら、彼らにはオレのことが通達されているらしく、咎められることもなくオレたちは西の斜面から南に広がる湖のほとりまできた。岸からそう遠くない位置に、小さな島がある。そこに南の結界があるとテンゾウは言った。
オレたちは水面を歩き、島に到達した。
何を祀っているのか小さな社があり、その傍らの木に守り番はいた。
「珍しいな、おまえが南に顔を出すとは」
かなり年配の守り番はテンゾウに声をかけ、オレを見た。
「ああ……おぬしが」
ふっと笑った顔は、まるでオレのことを見知っているかのようだった。しかしオレの記憶にはない。
「父上は息災か?」
「あいにく……」
「そうか。悪いことを聞いた」
「いえ」
答えながら、脇が汗ばむのを感じる。めったにないことだ。こんなところで父のことなど聞かれるとは思っていなかったオレは、確かに動揺したのだ。だが、彼は気にする様子もなく、オレを見、目じりに笑い皺を刻んだ。
「かつて戦場で父上と相見えたことがある。それだけのことだ。お気に召されるな」
隣のテンゾウを見ると、意図せずして視線がぶつかった。どうやら、テンゾウも驚いているらしい、まったくもってそんなふうには見えないが。ということは、この邂逅は偶然、なのだろう。
一瞬、テンゾウが何かの意図のもと仕組んだことかと疑ってしまった。
テンゾウのことは好きだ。過去の記憶を封じられていると知って、普段、言わないような言葉も口に乗せてしまったほど、だ。
だが、それとこれとは別。テンゾウに対する疑いは99%は晴れても、まだ100%とは言えないのが現状で、オレは片時もそのことを忘れるわけにはいかない。まったくもって因果な商売だ。

オレの嘆きを知ってか知らずか、テンゾウは恬淡としていた。
島を離れると空を見上げ太陽の位置を確認する。聞いていた任務時間まで、あと半刻あまりといったところか。
「どこか、行きたいところはありますか?」
観光じゃあるまいし、返事のしようがない。
「とりあえず長の家だな。今朝の礼を言って、今後、そういうお気遣いは無用に、と話したほうがいいだろう」
「ここからゆっくり歩いて半刻といったところです。この村は南北よりも東西に広いので」
「じゃ、歩きましょーか」
「そうですね。少しは村のひとたちにも見知ってもらったほうがいいかもしれませんし」
オレはテンゾウについて、刈り入れの終わった田の間を歩き、霜を防ぐ藁をかぶせた畑地の間を歩き、時折、出会う村人たちの好奇の視線に、それでも精一杯愛想よく応えながら村の北を目指した。

「あ、トキさま。ちょうど良いところに」
長の家の門のところで、使用人のひとりだろう、朝飯を運んでくれたのとは別の男がテンゾウを認める。
「何か、あったのですか?」
「お呼びするようにと長から申し付かったところで」
「長は?」
「そちらに」
敷地の西北に位置する蔵を示す。テンゾウは蔵に視線を送り、それからオレを見た。
「木の葉の方もご一緒に、とのことです」
抜け忍の村でオレは唯一、所属する里をもった者、ということか、と妙に納得した。

蔵と見えたのは外見のみ、実質は牢だった。そして、格子ごしに見えるのは、床に横たわる三人。みな術をかけられているのか眠っているように見える。
そして、ただひとり、格子に手をかけてひざまずくようにうずくまる男がいた。