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 お婿にいった四+カカのお話
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  恋女   後顧   おまけ
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年11月01日(木)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 〜プロローグ

*原作一部と二部の間のお話です。


「謹んで、拝命いたします」

ボクの返答に、五代目火影はふぅ、と吐息をついた。
断られると思っていたのだろうか、とボクは伏せていた目を綱手さまに向ける。
「……命じておいて、なんだが……いいのか?」
「は?」
「いや、カカシだよ」
腕を組むと見事な胸がさらにもちあがった。
この胸の威力で請け負う金額を引き上げているという噂も、あながち嘘ではないかも、とボクは思った。
「……いいのか?」
綱手さまの問いかけの意味は、わかっている。
だが、どう答えたものか。
先輩とボクの仲は非公式なのだ。暗部の古参や、最近では正規部隊のカカシさんと親しい忍の限られた何人かには知られているが、それも個人的に知らされた情報として、だ。
「あたしは、カカシがこ〜んなガキのころから知っている。そして、おまえのことも、よ〜く知っている。だから、これは火影としての質問ではなく、まぁ、なんだ? 親戚のオバちゃんが聞いているとでも思ってくれ」
自らを「オバちゃん」呼ばわりするほど、気を使ってくれている、というわけか、とボクは思った。
「ボクは忍で、これは任務です」

カカシさん。
ごめんなさい。ボクは何も言わず、里を離れます。
あなたがその意味を知ることがあったとしたら、それはボクが死んだときです。
任務が無事成功したら、ボクは戻ってきます。でも、何も言えません。
そういう類の極秘任務ですし、おそらく、ボクは言うべき言葉をもっていないでしょう。

「それにいい機会です。カカシ先輩は、優秀な遺伝子を残すことを里から期待されているんです。なのにボクがいつも引っ付いていたら、それも叶わないでしょう?」
「あたしには、カカシがおまえに引っ付いているように見えるがな」
ボクは肩をすくめることで、綱手さまの発言を否定した。
「こういう日が来ることもあると、覚悟はしていましたから。ボクも、おそらく先輩も」
そう、もし先輩がボクの立場に立たされたら、きっと、同じ選択をするだろう。
「そこで絆が切れてしまうなら……ボクたちはそこまでだった、ということです」
「わかった」
そう言って、綱手さまは椅子から立ち上がった。
「もともとこの術の礎となったのは、おまえの術だったな」
皮肉なものだ、という小さな呟きに、ボクは思い出した。
あれは、先輩の子ども時代の写真を持った女性と、たまたま遭遇した折だった。
付き合い始めて、1年と半年ほど……だったろうか。
ずいぶん昔のような気がする。いや、実際、ずいぶん昔なのだ、とボクは思いなおす。
ああ、そうだ。あれがきっかけで、先輩にとってボクがある意味では初めての相手だったと知らされた。
嬉しいような、くすぐったいような、気がつきもしない己の未熟さが悲しいような、複雑な気持ちだった。

この記憶も、それからその前もその後も、先輩と過ごしたたくさんの記憶は……ボクのなかから消える。
いや、脳に刻まれた記憶がなくなることはない、その部位を損傷しない限り。
だから、これは強い暗示をかけて別の記憶を植えつける……そういう術だ。
ただし、ボクがたまたま開発したそれを進化させた術は、術の痕跡さえ残さない、というものだ。

数分後、はたけカカシとの個人的な付き合いの部分を消し去った新たな記憶が植えつけられる。
そのうえで、ボクは任地に送り込まれる手はずになっている。
特S級の潜入任務。

この手の任務で難しいのは、人選だ。
なかにはほんとうに“敵”に洗脳されてしまう者もいるからだ。
ありとあらゆるテストを潜り抜け合格となったのはボクのほか、わずか数人だったらしい。
そのなかで、ターゲットの懐に潜り込むのに最も適していると判断されたのがボクだ。
あとは、年齢がいきすぎていたり、逆に若すぎたり、家族があったり……。
ただネックとなったのが、先輩との個人的な付き合いの長さであり、ボクの術だった。
先輩とは、家族を持つのに等しいほどの親密さだった。
しかも、いまとなっては里唯一の写輪眼保持者。
万が一のことがあったとき、この記憶だけは封印しておかなくてはならない。
そして、ボクが初代さまから受け継いだ術も同様に。

上層部でもボクをこの任につかせることについては意見が分かれたらしい。
うずまきナルトに何かあり、その力を抑えなくてはならないとき、ボクがいないとなったら……。
逆に、だからこそ今、とも言えた。
今なら、ナルトは自来也さまと共に里を離れている。
そして、ボクなら“それらしい”理由をでっちあげるのに最適だった。
忌まわしい出自を、そのまま利用できる。

「いいんだな、ほんとうに」
五代目火影が問う。
「はい」
とボクは頷く。

言葉に出して言われたことはないが、綱手さまはきっと先輩にもボクにも幸せになってほしいと思っていてくれたはずだ。そうでなければ、ご意見番がやいのやいのと言ってくる、先輩の縁談を聞かないふりなどしなかっただろう。
しかし、火影としては、そんな感情を表に出すことはできない。
ボクは深く礼をした。
どうか。
先輩とボクのことを、覚えていてください。
どうか、ボクのかわりに。
「では、始める」

術が完成すれば、ボクは先輩と過ごした“恋人同士の時”を忘れる。
ボクのプロフィールは、大蛇丸の実験体唯一の生き残り、ただし遺伝子は適合せず、従って木遁など使えない。
出自が出自なので、比較的早くに正規部隊から暗部所属となり、いまや暗部でもベテラン。
――そんなところだ。
ここからもわかるように、この術の特徴は本人の記憶を基にしているところだ。
まったく別の人格、別の生い立ちを構築するのではなく、本人のメモリから“不都合”な要素を取り除き、上書きする、とでも言えばいいか。
何か強い衝撃を受けたとき、その前後の記憶を封じ込んでしまうことは一般人でもよくあることだ。
この術は、その作用を意図的に起こす類のものだ。
もともとは……ボク自身が失った記憶を取り戻す術はないものかと試行錯誤している最中に、偶然開発した。
失った記憶を取り戻す術は結局見つからず、記憶を操作する術だけが残った皮肉に、ボクは苦笑する。

そんな――ボクであってボクでないボクが、“木の葉の里の抜け忍”という役目をおおせつかって、里を離れる。
向かう先は、敵の懐。

万が一を考慮して、もちろん初代さまの術そのものも封じられる。
記憶がないとはいえ、この身には馴染んだ術だ。いつなんどき、自発的に動き出すかわからない。
だから封印されるが、里に戻ったとき封を解かれることが約束されていた。
記憶がどうあれ、木遁と九尾を繰る力は取り戻すことが出来る。
しかし……。


カカシさん。

ごめんなさい。

ボクはあなたを守りたかった。
ボクだけは、ずっとあなたの側にいて「ほら、ここにいますよ」と言いたかった。
死ぬことは怖くなかったけれど、先輩を残して逝くのはいやだった。
だから、強くなりたかった。
何度も、もう会えないかも、と思った。
怪我の報に肝が冷えたことも、消息が知れず胸をいためたこともあった。
でも、そんなのはお互いさま。
ボクたちは忍だから。

でも、今度ばかりは……。

ボクの失踪は極秘事項ながら“里抜け”として扱われる。
もちろん、追い忍部隊も派遣されるだろう。
でも、ボクが里を抜けた、という噂は、暗部のなかにも流れはしない。
綱手さまが、それを許さないから。

だから、カカシさん。
あなたはある日、里に戻ったはずのボクからなんの連絡もなく、そのまま再び長期任務についたとしか、知らされないはずだ。
そのとき、あなたは何を思うか……。
ボクが里を抜けたという噂が耳に入ったほうが、まだ救いがある。
きっと気づくから。ボクが極秘の命を受けたことを。

カカシさん……先輩。

この術は、容易には解けないのです。
新しく植えられる記憶も、またボク自身の記憶だからです。
別の記憶を植えられるなら、本来の記憶を取り戻すこともたやすいかもしれません。
でも、そうではない。だからこそ、術として意味がある。

それでも、ボクは思い出します。
絶対に思い出します。
無事、任務を終えて里に戻ったら、絶対に。
その決意だけが、いまのボクを支えています。

だから……。





――暗転。