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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年06月12日(火)
百年の恵み 前


テンゾウに特別召集――隊長であるカカシのもとに届いた報。
そろそろかな、とは思っていた。むしろ彼の能力値を考えると、遅かったと言ってもいい。
本人は火影の元に赴いているはずだ。
「さて、と。テンゾウは来るかな?」

任務内容に応じて、特別に隊を編成するのは珍しいことではない。諜報や治安といった、戦闘以外の活動比重が高くなる中期程度の任務の場合、ほとんどが特別編成だ。
ベテランを各小隊に一人ずつ置き、若手に小隊長を経験させたりすることも、まま、ある。要は、この機会に若手のスキルアップを図ろうというのだ。
今回、テンゾウは小隊をひとつ任されるらしい。
彼の資質を考えれば、いずれ暗部のトップに連なる可能性も高い。
術に対する能力も高く、チャクラの量も充分。何より、精神的なバランスがとれている。
容易に周囲に流されないのは、もともとの性格なのか、特殊な出自によるものか。
それを今さら問うてみたところで意味はない。
馴れ合いを好まないのを、ひと嫌いと受け取られ戸惑っていたテンゾウに、孤立と自立の違いを教えたのは、カカシだ。そういう性質なのだとのみこんでしまえば、存外、根は素直だ。
今のところ、カカシの隊では他のメンバーと協調し、時に支援し、時に援助され、うまくやっている。
分隊で動くときのコツものみ込めてきたようで、臨機応変に対応できるようにもなってきた。
だから、三代目から問われたとき、カカシは答えた。
「多少、人見知りな面はありますが、観察眼には長けています。何より、仲間の意味をわかっている。だから、小隊長ぐらい、余裕で務まります」
三代目は、やや目を見開いてカカシを見た。
「気難しいおぬしが太鼓判を押すとは、のう」

自分は、言われるほど狭量な男ではないと思うのに、ともするとカカシは気難しく見られがちだ。
12,3のころまでは、確かに気難しく融通の利かない人間だったとは思う。
才もなく、言い訳ばかりの輩には、本気で腹が立ったものだ。
才はあるのに、開花させるすべのない輩にも腹が立った。それが、八つ当たりだと気づいたのは、少し成長してからだったが。
今では、初対面の相手にもフレンドリーに接するよう心がけているし、後輩の面倒も見ていると思うのだが、他人からの評価は、微妙に違っている。
他人の目などどうでもいいが、部下を育てるつもりがないと思われているのは、いささか心外だった。
確かに、カカシの部隊に配属される若手が、華々しい戦績をあげたといって注目されることはほとんどない。
しかし、今回のテンゾウのように特別編成の隊に配属されたり、カカシの隊を離れ、別の隊長の元についたりしたときには、目覚しい活躍をする。
そしてそれを、カカシという天才がいるから、その下では才を発揮できないのだと思っている輩も多い。
カカシに言わせれば、オレごときにビビるようなヤツはオレの隊にはいらない、みんなオレを越えて行け、と思っているし、そうなるべく接している、とも思う。
そして、実際、カカシの隊に配属になった者たちは、めざましい成長を遂げている。
ただ、周囲が気づくのは、本人がカカシの隊を離れてから、なのだ。
そのことが、カカシには不思議でしょうがない。状況を分析すれば、わかることだろうに、と思う。
自分たちの任務のどの部分をだれが担い、その結果どうなったのか、そんなものは、報告書を見ればわかる、と。
だれがだれをサポートしたのか。あるいは、だれが道を切り開いたのか。
報告書に戦況がきちんと記されていれば、それらは自ずとわかる、と考えている。
事実カカシは、多少不備のある報告書からも状況を正確に読み取る能力がある。
だから、他人も同じように読み取れると、つい思ってしまう。
そして、はたけカカシの名がどれだけ先入観を与えているのかも、よくわかっていない。
実績をあげても、「あのカカシの隊だから」と言われ、個々の能力値にまでみなの関心が向かないなど、カカシは思ったこともないのだ。
なぜ、と首をかしげ、ときに歯噛みさえするカカシの思いを理解できるのは、カカシの隊に配属された者だけだった。だからこそ、部下には慕われる。カカシの元を離れても、みな、カカシを敬愛する。

「へえ。オレが太鼓判を押すまで、だれもテンゾウの能力を評価してなかったんですか?」
つい皮肉っぽい言い方になったのは、テンゾウを自分の隊に貰い受けたときのことを思い出したからだ。
前に所属していた隊で半ば孤立していたのは、彼を使いこなせなかった隊長の責任だ。
ハードルを高くすれば高くするほど、高みに向かって飛翔する。テンゾウは、そういう男だ。
それを己の矮小な価値観に押し込めようとするから、持て余す。そういう男の下では、もったいないと思った。だから、放り出されたのを幸い自分の隊に引き取った。
「いや、そんなこともないが……」
苦笑する三代目には、そんな状況などお見通しだったのだろう。だから、カカシがテンゾウを自分の隊に、と申し出たとき、あっさりと許可したのだ。

そんな三代目とのやりとりを思い出していると、わざと露にしているテンゾウの気配が近づいてきた。
「はい、どうぞ」
ドアを開けると「お邪魔します」と入ってくる。私服姿で荷物を持っていた。
「中期の任務が入りました。明日、夜明け前に出立です」
部屋にあがる前に、テンゾウは律儀に報告する。
「うん、聞いてる」
部隊のメンバーがひとり抜けるわけだから、隊長にも連絡がいくことに気づいたらしい。
「そう……ですね」
部屋にあがり、荷物を隅に下ろすテンゾウは、元気がないように見えた。
「早ければ一ヶ月。長引けば三ヶ月ぐらいになるかもしれません」
「うん。それも聞いてる。三ヶ月を越えるようだったら、入れ替えがあるんだって?」
「はい。でも、ボクはもしかしたら居残りかも」
「小隊長だって?」
テンゾウは頷いて、荷物を振り返った。
「比較的……温暖な地域のようです。でも、雨が多いのかも」
行き先や詳細な任務内容は、まだこの時点では告げられていない。揃えるように指示された装備の内容から予想するだけだ。いつもより饒舌なのは、内心、不安なのかもしれないとカカシは思う。
「部隊の顔あわせは?」
「いえ。出立前だそうです」
「ふうん。じゃあ、治安が中心だね。そう、危険な任務でもないと思うよ。気は使うかもしれないけど。移動途中で、個々の能力と万が一の時のフォーメーションを確認する機会が設定されるはずだ」
「移動途中……ですか」
「テンゾウは小隊長だから、出立前に隊員のプロフィールは知らされる。で、移動中にその辺を確認しつつ、個々の性格とか相性とか考えてフォーメーションのパターンを考えておくといいよ」
「はい」と答え、テンゾウはカカシの言葉を脳内で繰り返してでもいるようにうつむく。
「大丈夫。いつもどおりやっていれば」
顔をあげたテンゾウは、ひどく生真面目な顔で、また「はい」と答えた。
「もしかして……緊張してる?」
首を傾げるように覗き込むと、ようやくテンゾウの表情が動く。苦笑でも、この際、強張ったままの顔よりは、よほどましだ。
「大丈夫だって。なんのために、オレの隊にいるのよ」
釈然としない、という表情に、
「オレがいっつもするようにやってれば、大丈夫」
と冗談めかして言うと、眉間にシワが寄る。
「無茶して突っ込んで、チャクラ切れ起こすんですか?」
「あのね。どうしてそういうところにばかり目がいくわけ? オレ、そんなにダメ隊長なの?」
「あ、いえ。すみません。いつも気に掛けているもので、つい」
はぁ、とカカシはため息をついた。
「ま、自分を信じなさい。おまえなら、やれるから」
はい、とテンゾウは答え、それからぎこちない笑顔を見せる。
内心で、カカシはため息をついた。
普段、どちらかというとふてぶてしいほど落ち着いているのに、どうしたと言うのだろう。
前にいた隊を放り出されたときも、みじんも騒がず、それがまた隊長の神経を逆なでしたものだ。
そのテンゾウが、と意外な気もする。

当の本人は、何か言おうとして口をつぐみ、それから視線を斜め上に移動させた。
うまく言葉が見つからないのか。あるいは、言うべきかどうか、迷っているのか。
「何?」
問いかけると、テンゾウがカカシを見た。
ひた、と黒目の大きい目がカカシを捕らえる。
ドキリとするほど、真剣な眼差しだ。
しばらく会えないのだとカカシは思った。
なるべく、そこから目を逸らしていたかったのだが、一度、捉われると逃れられない。
会えない。その言葉を胸の内で繰り返す。焦燥感にも似た、感情のさざなみが広がっていく。
この深淵を思わせる目も、自分を抱きしめる腕も、熱を伝える肌も、しばらくの間、手の届かないところに行ってしまう。
つまらない、と思う。そして、寂しい、とも思う。
気づくひとは少ないが、カカシの本性はかなりの寂しがり屋だ。
ただ、それを宥めたり、ごまかしたり、飼いならしたりする術を知っているだけの話なのだ。
――でも、寂しいものは寂しいよね〜。
しかし、今ここで自分が「寂しい」とでも言おうものなら、きっとテンゾウは心配する。それが、任務に影を落とすかもしれない。
恋人だけど。離れているのは寂しいけれど。
――オレは先輩なんだものね。
明日の早朝と言っても、いまはまだ夕刻。
夏に近い空は、まだ昼間の青さを残している。
――一回ぐらいだったら、大丈夫……かな。
思わずテンゾウに向かって伸びようとする手を、カカシはこぶしを作って、留めた。
――だめ、だ。小隊長の集合は、隊員の集合より早いんだ。
「よし。テンゾウの壮行会をしよう」
カカシの言葉に、テンゾウが目を見開いた。