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 お婿にいった四+カカのお話
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  らすてぃ・ねーる-12話
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  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
    テンゾウの帰還

   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
 テンゾウは……

 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
  -暗部なテンカカとヤマカカの間話-

  春霞-4話
  暗部を離れたカカシとテンゾウ
  ちぇい・べっく
 -可愛いお嬢さん-
4話
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  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年04月18日(水)
春霞 3


その後、オレたちは余り話すこともなく、酒を飲み、メシを食い、店を後にした。
それでもテンゾウがそばにいることで、オレの気持ちは余程、くつろいでいた。それがまた、何とも言えない敗北感をかきたてる。
そのくせ、敗北感ってなんだよ、と自分に突っ込みを入れている。
恋愛は勝ち負けじゃないだろーが。

そんなオレの心情を知ってか知らずか、あるいは薄々気づいていて知らぬ振りをしてか、店からの帰り道、テンゾウは饒舌だった。
「やばいですよ、あそこのしょうが焼き。ボク、長期任務から帰ったら、アレを食べずにはいられなくなりそうです」
「腹減ってると、毎度、ソレだもんね、おまえ」
「だって、脂身のほとんどないしょうが焼きを、あれだけおいしくつくってくれる店、ないですよ」
真剣な顔で言い募るのがおかしい。
ついでに、脂身苦手なくせにしょうが焼きを食うテンゾウもおかしい。
こんなどうでもいい話題を、真面目な顔で交わしているオレたちもおかしい。
三か月ぶりなのに。それもオレが暗部を離れてから、初めて会うのに。
まるでずっと続いてきた時間をそのまま繋いでいるようなテンゾウの態度に、オレは戸惑っている。
そのテンゾウは、なにやら女主人から買ったらしい紙袋を抱えていた。細長い形態から酒だろうと予想はついたが、酒ならオレの部屋にもあるのに、とオレは首を傾げていた。

「あー、やっぱりカカシ先輩の部屋はいいですね」
部屋に入ったテンゾウが伸びをする。
「いい、って、大して何もない部屋よ? 知ってるでしょ」
インテリアに凝る趣味もない部屋は、最低限、生活できるだけの機能が揃っているというだけのものだ。
枕元におかれたかつてのスリーマンセルの写真とイチャパラが、ささやかなオレのアインデンティティの象徴という、きわめて質素な部屋だ。
その割りに、片付いていない。デスクの上には書類が散乱しているし、巻物が床に転がっていることもある。
「でも、この空間すべてが先輩の気配に満ちていて、ボクはとても安心します」
サラリととんでもなく意味深なセリフを言う。
長い付き合いなのに、まるで付き合い始めのようにドキドキしてしまった。
互いの任務の都合で3か月ぐらい会わずにいることは、今までもあった。会わない間は恋しいとも思ったし、久しぶりに会えると、とても嬉しかった。
でも、そういうのとはまったく異なっている。
一体全体、オレはどうしてしまったというのだろう。
すっかり慣れ親しんだはずのテンゾウなのに、慣れない相手のように……いや違う、慣れない相手なら、むしろそれなりの対処の仕方というものがある。そうではなく、対処なし、というか、なすすべなし、というか、つまりオレはお手上げ状態なのだ。

緊張しているわけでもなく、だからと言って、平常心でもない。
話しかけられれば、いつものように受け答えもできるのに、どこか浮ついている。
オレがひとりで内心おたついていると、後輩は「あ、そうだ」と脇に置いた紙袋を差し出した。
「はい、カカシ先輩。今年はバレンタインデーもホワイトデーも離れていましたから」
受け取った袋の中には、先ほど燗で2合ほど飲んだ「春霞」の一升瓶が入っていた。
「吟醸酒だと冷なんでしょうけれど、こういう気候のときって燗酒が恋しくなりますよね」
「テンゾウも……飲む?」
「ええ。ボク、向こう1週間は完全休暇。その後、1週間は待機なんで」
オレも、3日間は休暇だ。
「燗つけましょうか」
テンゾウは立ち上がって、オレの手から一升瓶を受け取った。
ふっとオレを見下ろす視線に、心臓をわし掴みにされた。急に体温と心拍数が上がる。
――ああ、そうか……。

テンゾウは、変わっていない。変わったのは、オレ。

オレにとってテンゾウはいつも“後輩”だった。
最初は、彼の才を育てたいと思う気持ちもあった。後に、オレと肩を並べる彼を頼もしく思った。
けれど、一貫してテンゾウは後輩で、オレは先輩だった。
今もテンゾウはオレを先輩と呼び、オレも彼を後輩と呼ぶ。でも、違う。
オレにとってテンゾウは後輩でなくなった。暗部を離れたときから。
オレのテンゾウに対する視線は、先輩としてのそれではなく、ただの男としての視線になっていた。
オレのなかで、テンゾウはテンゾウになった。
いや、いつからか、とっくにそうなっていたのだ。それでもオレが暗部にいる限り、オレとテンゾウの時間は、恋人同士の時間よりも暗部の先輩と後輩としての時間のほうがはるかに長かった。
だから、オレは気づけなかった。
テンゾウはこんなにも……。

「カカシ先輩?」
テンゾウが屈み込んで、心配そうにオレと目線を合わせた。
「テンゾウ……酒、ありがとう。オレも明日、休みだから。酒は、あ……明日にしよう」
声が震えてくるのがわかった。きっとテンゾウにも、伝わっている。
「だから……今は……ね」
伸ばした手を、テンゾウが取った。
「先輩……」
「もう、先輩じゃない、よ」
「暗部を離れても、先輩は先輩ですよ」
オレは首を横に振る。どう言えばいいのかわからない。
テンゾウは、情けない顔をしているはずのオレに、表情を和らげた。
「じゃあ、カカシさん」
そう呼ばれた瞬間、テンゾウの腕の中にいた。
「あなたが暗部を離れても、ボクは変わりません。初めて会ったときのまま」
テンゾウの手がオレの後頭部を撫ぜる。
「いえ、初めて会ったときよりも、もっと……」
髪の中にテンゾウの息を感じる。
「好きです」

好き。そのシンプルな言葉だけが、テンゾウとオレを繋いでいる。
好き。それだけ、ほんとうに、それだけなのだ。その心ひとつしか、オレたちにはない。

「欲しい」
言わなくてもわかっていると思うけれど、伝えたくて口にした言葉は、なんの工夫もない、直接的なものだった。
「ずっと、欲しかったよ、会えない間」
テンゾウは、オレの顎の下にすっと指を差し入れると、顔を上向かせた。
「カカシさんのソレとは違うのでしょうけれど、ボクも、同じです」
オレたちはどちらからともなく唇を重ねた。何度も啄ばむようなキスをした。
それだけでのぼせてしまったようで、差し入れた舌を甘噛みされたときは、尾骨から下腹にかけてビリと痺れるような快感が走り、思わず身をよじっていた。
テンゾウが舌を差し入れてきたとき強く吸い付いたら、くぐもった声が聞こえ、それもまた腰に響いた。
なんだか、初めてキスをしたときのようだ。
あのときは途中から無我夢中になってしまったテンゾウに、煽られまくったものだ。
すっかり大人になったテンゾウは、服の中に差し入れた手をオレの素肌に滑らせながら、唇で首筋を愛撫している。
オレの弱いところに軽く歯を立て、そのたびに竦むオレの身体を抱きしめ、時に不意に耳朶を噛んで、オレに声をあげさせる。

「焦らさないでよ」
抗議するつもりの言葉は、なんだか甘えるような口調で、テンゾウのしれっとした
「焦らしてるつもりはありません」
などという反撃を許してしまった。
「なかなか、お目にかかれない可愛いカカシさんを堪能しているだけです」
「か……」
「可愛い、はボクの個人的私見ですから。あしからず」
反論する前に、封じられた。ほんとうに、無駄に優秀だね、おまえは。
すっかり昂ぶって、もうどこに触れられても身体が震えそうなほどなのに、オレは妙なところで感心してしまった。
「今日は、ゆっくり味わいたいので、それについても、あしからず」
「味わうって……んっ」
きゅぅ、と首筋に吸い付かれて、オレは言葉を失くした。テンゾウの背に回した手が、服を掴む。
「脱ぎましょうか」
テンゾウが先に、来ていたニットとシャツを脱ぐ。
出会ったころ、オレより一回り小さかったテンゾウは、1年でほぼオレと同じぐらいになり、その後の1年でオレより一回り大きくなった。
今では、オレより少し分厚い胸板と腹筋の持ち主で、その鍛えられた身体には惚れ惚れしてしまう。
「カカシさんも」
テンゾウがオレのシャツのボタンに指をかけた。器用に動いてボタンを外していくテンゾウの指を見つめる。
「カカシさん?」
袖から腕を引き抜かれた。
なんだか、テンゾウの指を見ているだけで、それだけで、身体が火照ってくる。
「寒くないですか?」
問いながら、テンゾウが指先を肌に這わせた。その刺激に、ゾクとする。
「鳥肌……寒いわけじゃないですよね?」
笑みを浮かべながら、そんなことを言わないでほしい。
つつ、と這っていく指に集中したくて、オレは目を閉じる。
「乳首、勃ってますよ」
押し潰しながら、そんなふうに言わないでほしい。声を堪えるのに、精一杯のオレは返す言葉を持たない。
指で摘まれて走った快感に、思わず下腹に力が入った。すかさずテンゾウの空いていた手が、オレの下腹に当てられる。
「そんなに、我慢しないで、声を聞かせてください」
だれが。聞かせてなんかやるものか。
オレは意固地になって、唇を噛んだ。