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 お婿にいった四+カカのお話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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 【Epilogue】 そして、恋

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4話
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  波の国任務の少しあと
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年03月04日(日)
猩々 −後−


――で、オレ、なにやってんの?

せっかくやってきたテンゾウの部屋で、またもカカシはだらだらと飲んでいる。
――あいつが、部屋に入るなり、何、飲みます? ビールも日本酒も焼酎もありますよ、なんて言うから。
反射的に、「ビール」と答えてしまった自分が恨めしい。
そしてテキパキと冷凍庫から霜のついたグラスを取り出したテンゾウが恨めしい。
さらに暖房を効かせた部屋で飲む、キンキンに冷えたビールがうまいのも恨めしい。

さすがにイチャパラを読もうという気にはなれなかった。
と言って、何を話しているかというと、今度は他愛もないことばかり。
ちょっと続いた会話は、カカシの忍犬に関する話題だけだった。
そこから話がそれて、使役する動物の適正の話になった。
盛り上がったのは、それぐらいだ。
あとは、なんだかだらだらしているだけ。
気がついたら深夜に近い。

――この雰囲気だと、今日はイチャイチャはなしだね〜。
残念な気もするが、いつもいつもがっつくわけにはいかない。
見たところ、テンゾウはそういう方面での欲求が薄いようだ。
――あまりがっついて、嫌われたら……嫌われはしないまでも、呆れられたら。
それは、悲しい。
カカシは、よし、と決意した。己の未練を断ち切るように。
「じゃ、オレそろそろ、帰るね」

立ち上がりかけたら、テンゾウは虚を突かれたような顔をした。
――あ、あれ?
中腰のまま、カカシはテンゾウを見やる。
――あれ? オレ、判断誤った?
テンゾウの表情は、わずかに険しくなっている。
――か、帰っちゃダメ? え? もっと一緒にいたいとか、思ってくれてた?
中途半端な姿勢のまま、カカシは動けない。
――ど、どうしよう。
テンゾウが、目を伏せる。落胆しているように見える。
――あ、しまった。「な〜んてね」とか言って茶化しとけば良かった?
でもそれも、タイミングを逃してしまった。
数秒後、テンゾウは視線をあげ、数秒前と同じ態勢――立ち上がることも、再び腰を下ろすこともできず固まったままのカカシを見て、気配を緩ませた。
「先輩」
手を引かれた。
「帰る、なんて、白状なこと言わないでください」
思いのほか、真剣なテンゾウの顔があった。
「抱かれたのが気まぐれだ、って言うんだったら、そう言ってください。そうなら、ボクはこの手を離します」

――え? 気まぐれ? こいつ、そんなふうに思ってたの?
驚いた拍子に、カカシはストンと腰をおろしてしまった。
それでもテンゾウの手は離れない。
――ぜっんぜん、伝わってなかったの、オレの気持ち。
カカシの見開いた眼を、テンゾウが見返す。
このまま弄ばれたと思ってくれたほうが、ほんとうはこの後輩のためなんじゃないだろうかと、今さらながらにカカシは思った。
――オレみたいな男に付きまとわれちゃ、こいつの将来、決まったようなものだし。
弄ばれたと思っているなら。伝わっていないなら。
帰る、と一言言えばすむ。
ごめーんね。
それですむ。

そう思うのに、言葉が出てこない。
身体が理性を裏切って、すでに湧き立っている。
テンゾウに掴まれた手首が、熱い。そこから伝わる熱に、酔いしれている。
このまま、この腕に身を委ねてしまえと、囁く。

「テンゾ……」
「先輩には、今、恋人いますか? あるいは、操を立てたい相手、いますか? いるんだったら、ボクは引きます」
カカシの瞳の奥を覗き込み、本心を暴こうとする、強い眼差しだった。
――瞳術持ちでもないクセに、なんなの、この眼力。
「でも、そうでないなら、引きません。絶対に。最初のときに聞いておくべきだったんです。いろいろ前後しましたが……ボクは、単なる浮気相手ですか?」
直球勝負で来た。
その球は、敏腕選手の腕から放たれる剛速球だ。いや、写輪眼でも追えない魔球だ。

「浮気相手じゃないなら、先輩に特定の相手ができるまででいいですから」
「できるまで、って……」
「先輩、優秀な忍ですから。子孫を残さなくてはなりません。その機会を奪うことはボクにはできません」

う、とカカシは言葉に詰まった。
そんなことをチラと思うことはあっても、現実問題として考えたことはなかった。
――子孫……残せって言われるかな?
はたけサクモは優秀な忍だった。自分はその血を引き、天才と呼ばれた。
――今は暗部の死神だけどね。
後付の写輪眼のことはあるけれど、はたけサクモ、はたけカカシと続いてきた血筋はやはり里にとって、残すべきと思われているのは、わかっていた。
「だって、それ言ったらテンゾウもでしょ?」
「ボクは……DNAが傷ついていますから。偶然、子どもができたら要観察対象になるだけ、でしょう」

ああ、この後輩は……。
ほんとうに。
ほんとうに……。

――なんて哀しくて、なんて強靭なんだ。

だから、惚れたんだ、自分は。

「先輩には先輩のお考えがあるとは思いますが」
急に口調が改まる。この状況に似合わなくておかしい。でも、テンゾウは真面目な顔をしているから笑うわけにはいかないと、妙なところでカカシは葛藤する。
「酔った勢いでとか、その場の雰囲気に流されてとか、そういうのはイヤなんです。たまにはちゃんと……」
そして、言いよどむ。言おうかどうしようか迷う顔で、視線がカカシから外れる。
けれど、それもわずかの間で、テンゾウはまたカカシを見つめた。
「ちゃんとボクに……甘えてくださいよ」

……陥落した。
たとえ気まぐれの遊びだったとしても、絶対、今ので自分は落ちたな、とカカシは頭の片隅で思った。

「テンゾウが恋人じゃないんだったら、恋人いない」

我ながら、拗ねたような口調に呆れてしまう。
が、テンゾウはしばらくカカシの言葉を咀嚼するように視線を飛ばしてから、急に赤面した。
「えっと、それは……」
視線が上を向き、左にそれ、下を向き、それからようやくカカシに戻ってきた。
まだ顔は赤いが、まっすぐにカカシを見る。
「先輩」
そこにいるカカシを確かめるように、呼ぶ。
「そんな顔、しないでください」
自分がどんな顔をしているかなど、カカシにはわからない。
そんな顔って、どんな顔よ、と問い詰めたいような、怖いような。

「この前は、ボクも酔った勢いでした」
そう言って、カカシの手首を強く引く。
前のめりになった体が、テンゾウの腕のなかに拘束された。
「今日も、まぁ、酒は飲んでますが……酔った勢いじゃありません。先輩、会いたかったです」
ふぅ、と吐息が耳元をくすぐる。
「立て続けの単独任務で、無理してるんじゃないかと、ずいぶん心配しました」
背に回された腕に力がこもる。
――今日はベスト脱いでおいて、よかった。
アンダー越しに、テンゾウの体温が伝わってくる。自分より、3度ほど、高い体温。
「今日、会えてよかったです」
「うん……オレも」
ざわざわざわざわと、血が湧き立つ。
「少し、興奮してきました?」
「え?」
「体温と心拍数、あがってます」

カカシは反射的に拘束から逃れようとしたが、ダメだった。
「だめ、です」
ギュッと抱きしめられた。
「あ、またあがった。だから、暴れないで。お願いです、落ち着いて、聞いてください」
耳元で囁かれ、カカシは身をよじる。
「ボク、自分からは情動を覚えないんです。聞いたことありますよね、ボクが不能だって噂」
意外なテンゾウの言葉に、カカシはとりあえず、少しだけ理性を取り戻した。
そういえば、そんな噂があった。
「あれ、ある意味、ほんとうなんです。相手の情動に触発されないとダメなんです、それも、波長の合う合わないがあるみたいで。合わない相手だと、まず、ダメです」
――ええ? それ、何? 相手からさかってこないとダメってこと?
下世話な言葉でテンゾウの発言を解釈したカカシは、自分の顔が熱くなるのを感じた。
――なにそれ? 何? オレがさかったから? だから?
なまじ少しだけ取り戻した理性があれこれ解釈するもので、あれやこれやがカカシの頭のなかでグルグルする。

「だから、先輩。先輩が欲しいと思ってくれないと、ボク、何もできません」

――なんだよ、じゃ、あんなことやこんなことも、全部、オレのせいだって言うの!
狸だ、狸。三代目も真っ青な狸だ、こいつ。
何が、恋人いるなら、引きます、だ?
浮気相手ですか? だ?
こいつなんか、こいつなんか、こいつなんか、オレの気持ちも、わからなかったくせに〜〜〜〜!!!

「先輩、また、体温あがりましたよ」
嬉しそうな声が忌々しい。

「……久しぶりに」
怒鳴りつけてやろうとした、その刹那、耳朶を軽く噛まれ、カカシは息をのんでしまった。
「喰っちゃっていいですか? 先輩のこと」




<了>


猩々之舞
滋賀県の川島酒造が蔵元。馥郁とした吟醸香と喉越しの良い、杜氏入魂の淡麗純米大吟醸。