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運命、らしいです(アキオ談) |
アキオ(22才、現恋人、フィリピン顔)は、あたしのことを何も覚えていなかった。 現に、あたしとアキオは、14年前に出会ってるというのに。 あたしとアキオは、小学校での同級生だ。 アキオは小5で転校したけど。 同じクラスで、しかもあたしの誕生日会のため我が家に来たこともある。 その証拠に、母が撮った誕生日会の写真に、あの頃のアキオがしっかりと写ってる。 なのに、久々に再会したアキオは、あたしのことを何も覚えていなかった。 微塵も。 でも、あたしは覚えていた。 なんとなく、記憶の片隅にアキオの存在がまだ残っていて。 再会した時、少し面白くなかった。 あたしは、あんたのことを覚えてるのに。 携帯の、出会い系サイトで私とアキオは出会った。 そりゃ最初の出会いは、小学校だけど。 出会い系サイトと言っても、男女が出会う出会い系ではない。 同性愛者や、それと同じ匂いがする世界の、出会い系サイトだ。 じゃないと、この世界の人たちは恋人が作れない。 そこでアキオが書き込んだ、「真剣に出会い探してます」という書き込み。 私は迷わずメールを送って。 ありえないスピードで、リアルに出会った。 だって、 同い年で同じ小学校という二つの共通点がメールの時点で発覚して、 会わない訳にはいかないでしょ。 あわわ。 待ち合わせ場所に設定した小学校の校門で、携帯を握りしめ待っていたあのドキドキ感。 今でもしっかりと覚えてる。ていうか思い出した。 アキオはこの再会を、「運命」だと簡単に片付けてしまうけど。 あたしは、運命なんて信じないから、そんな簡単に片付けられない。 もしもあなたとあたしが結婚できたら、「運命」ということにしてあげよう。 その前に、性転換&戸籍変更………。 |
2006年11月19日(日) |
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