カゼノトオリミチ
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今朝のゆめ
なんと母がきました
とにかく
だまって
静かで きれいでいました
母はトイレにもいきました
わたしは
あぶなかしくて うしろをついて歩きました
それから
懐かしい 布団にねていました
のぞいた手の甲は
とてもしろくて やわらかでした
やがて母は
古い家の
窓ガラスから そとをながめて
それから
部屋のまんなかに すっと立つと
ゆっくり
うえにのぼってゆきました
こちらをみながら
すっと立ち
すがたはだんだん しろくなり
うっすら消えてゆきました
おぼろにかすんでゆく姿に
私は母を呼びました
なんども なんども 呼ぶけれど
声は出なくて苦しくて
ぐう ぐう ぐう と
うなる自分の声で めがさめました
ありがとう
きてくれて ありがとう
なんだか
やさしい うれしい 朝でした
natu
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