今にも降り出しそうな空は湿った空気をそおっと運び大きなケヤキがさやさや わたしをなぐさめるわたしは大きな木になれるかなだまって地中深くにしみこんだながい ながい 時のことばをいつまでも聞きつづけなくてはならないはりめぐらせた みずからの根っこで土にとけた時のことばを すいあげみどりの葉を 風にあずける なんどでもわたしはおおきな木の下でただ さやさや葉のさえずりに 耳かたむけるわたしなど木にはなれない