カゼノトオリミチ
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ぬけるような秋の空に チイサク 飛行機 とんでゆく
いいな
風花 さざんか はらはらと ももいろが散って
冷たい風が さざめいた
ぴーい ぴーい シジュウカラ さざんかと いっしょに笑う
羽があったとしても そんなに 高くは飛べないよ そんなに 遠くへはいけないよ
やがて散る オレンジの大輪のバラが 見えない 時間に寄り添われ
玄関先で うつむいている
それでも 血と肉と栄養と 自身のすべてを そのオレンジに
注いだかのよう とてもとても 美しい
さざんかも もう黙ってしまい
はらはらと 惜しみなく そのももいろを
ただただ 風に散らす
natu
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