一週間前から沈丁花の香りが町中に漂っている。気温の低下と重なったタイミングで開花したのだろう。例年はふわりときりっとした甘さで薫って来るのに今年は寒風の間隙にひっそりと香っている。道行く人のすれ違いざまの残りがと勘違いするほどに密やかだ。寒さの中では何もかもがけなげに感じる。小鳥もこどもも早咲きの桜も…