2011年02月22日(火) |
詩 遠くの夜の空の下 |
遠くの人よ 声も聞こえない 手を伸ばしても届かない 遠い彼方の人よ あなたがいるのは随分と遠い空の下だけれども 時々 わたしにはあなたのため息が聞こえてくる 重い農作業で 一日働いた後の 静かに風呂に体を沈める時に 思わずあなたが漏らす 安心と疲労と諦めの混じった 細い吐息が聞こえてくる 浴室のタイルに微かに響く 細い吐息が聞こえてくる そんな晩には思い出して欲しい そこからは大分遠い屋根の下だけれども あなたがひとりで聞いている あなたの静かな細いため息を 一緒に聞いている者のあることを
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