2010年06月06日(日) |
コーヒーの香りの中で読書 |
姿を消していたネックレスが見つかった。 やはり何度も何度も確認したはずの引き出しから… いやっっは…めっかっちまった… とネックレスが思ったかどうかは知らないけれど、思わず見つかって驚いているわたしの掌で、確かにネックレスは「テヘッ」と笑ったような… いや、きっと思い過ごしに違いない。 現実逃避をしたいときには、何故だかミステリーを読む習慣がある。 すべて忘れられて物語に集中できるからかもしれない。 集中させてくれるだけの内容と筆力を兼ね備えた作品を探し出すのも楽しみ。 国内のミステリーも面白いものが沢山あるのだろうけれど より現実逃避出来るのはアメリカのミステリー。 最新のテクノロジーを駆使して追う側と追われる側が緊迫した駆け引きを行っていく展開は時間を忘れさせてくれる。 以前は手をつけなかったロマンチックミステリーというジャンルをこの一年くらい楽しんで読んでいる。 読む前はハーレクインの甘い恋愛小説に少しミステリーを加味したようなものかと思っていたのだけれども、 いやいや、結構本格的に描かれたミステリーなのでした。 この悪夢が消えるまで(ヴィレッジブックス. イヴ&ローク 1) 著者 J.D.ロブ著 青木 悦子訳 このイヴ&ロークシリーズは近未来sfロマンチックミステリー ロークはアイルランド人で宇宙的な大金持ちの謎の美貌の実業家。という現実にはあり得ないようなかっこおよさ。 対して、恋人のイブは身なりには全然かまわないニューヨーク市警の敏腕女性刑事。 このふたりがある高級コールガールが殺された事件をきっかけに出会い、その後関係を深めながら様々な事件を解決していくというシリーズ。 自分でハサミで紙を切るというイブの身なりの構わない感じは、スー・グラフトンのキンジー・ミルフォーンシリーズの主人公の女性探偵キンジーによく似ているなと思って読んでいると、イブが訪れたロークの屋敷の書棚にスー・グラフトンの本が並んでいたりして、イブのモデルがだれであるのか暗示している。 少女マンガのヒーローのように完璧なロークと大人の恋に落ちていくイブ、でもリアルに描かれた市警内部の人間関係、近未来のテクノロジーが渾然となって魅力的なシリーズとなってます。
名探偵のコーヒーのいれ方(コクと深みの名推理 1) 著者 クレオ・コイル著 小川 敏子訳 ニューヨークにある老舗のコーヒーショップビレッジブレンドを舞台に、その店の女主人で名バリスタのクレアが事件を解決してゆくコージーミステリー。 事件としてはさほど大げさなものは起こらないけれど、なにしろ出てくるエスプレッソ カプチーノ、イタリアンのスイーツ料理の数々がたまらなくおいしそう。ニューヨークのアーティストたちが集まるコーヒーショップ、美術、建築、ファッションのディテールを丁寧に描き込んであるのも楽しみ。
読み始めると止まらなく 読み終えるとなかなか現実に戻って来れないという一種の悪癖と言えるのかもしれない。 さて、今日は何を読みましょうか。
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