駅のホームの屋根のないところで 傘を開いて電車を待つ。 雨音 傘に落ちる雨 屋根からこぼれる雫の音 どこかへ流れていく音 シンバルのようにバシャバシャ 水琴窟のような高い音 雨 雨 雨 グレイッシュな一日 昨日と今日を区切る雨 今日と明日を区切る雨。
チェッと・ベイカー 「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」 カズオ・イシグロ著 土屋 政雄訳 を読んだら聴きたくなった。 チェッと・ベイカーの歌。トランペットも。 穏やかでひたすら優しく。 音に浸りながら「ロング グッドバイ」を読みたくなる。 こうやってぐるぐると。 こうしてゆらゆらと いつもの夜。
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