とんでもない時に突然ハミングが口から漏れてたじろいだりする。 電車の中とか 歩道とか まわりに誰かいるかもしれないのに そういう時は きっと何かがずれている。 自分と時間 自分と風景 自分と体 そんな危うい時に ハミングは漏れ出る。 それはアラームのようで それは呪文のようで ずれた時間を呼び戻すように 迷子の犬にわたしはここ」と教えるように 何かをとらえようとするように 芯のほうから漏れ出てくるのだ。 わたしの周りを取り巻くいくつかの層 ずれ始めたそれらが ハミングしながら ひとつに重なり始める。
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