2006年07月18日(火) |
レヴィナス『フッサール現象学の直観理論』(第一章) |
自然主義的存在論と哲学の方法
●存在領域 諸科学において、想起、知覚、空間、時間というような概念は各々の存在分野の必然的構造を規定し、それらの本質を構成する。
→これらの科学が抱き込んでしまった存在理論を追求することは、なんらかの仕方で存在としての存在を研究し、存在の存在するという事自体の条件で諸カテゴリー(範疇)を考察するための観点に立ちうるものである。
⇒存在論(Ontologie)
●フッサールの場合には、存在論が関心を持つ存在構造がひとつではない。
・自然の存在構造と意識の存在構造は違っているので 同じカテゴリー(範疇)を適応させるわけにはいかない。
・自然の存在構造と意識の存在構造を分けるのは 単に形式的諸範疇の特殊化ではない。
↑ 形式的構造(形式は普遍的である。形式は最高類とは異なる!) 質料的構造(存在の諸分野によって異なる)
・質料的構造→存在論的な諸範疇は存在をもろもろの領域として区画する。 各々の領域は領域存在論の対象である。
●存在領域と本質(本質区画)
・相互に異なりうるのは諸本質だけではない。 存在するという事はどこでも同じ意味を持つわけではない。 (存在と本質は別物である)
対象が存在する、とは何を意味するのか? 種々の存在領域の存在様式はいかなるものか?
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