歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年08月08日(金) 自分の発言に責任を持たない人々

仕事柄、僕は患者さんに対して言葉を慎重に選んで話します。患者さんの歯の状態や体力、生活習慣、性格、精神状態などを考慮しながら話すのですが、いつもコミュニケーションの難しさを感じています。何気なく自分がもらした言葉が患者さんにとって思わぬ精神的な傷を与えるような結果になったこともありますし、逆に言葉を選び過ぎたために肝心な点が上手く患者さんに伝わっていなかったこともしばしばです。そんな僕ですが、自分自身の対して心がけていることがあります。それは自分が発した言葉に責任を持つということです。

いつまでも若いと思っていた僕も気がついてみれば既に42歳を越える年齢に達しています。少なくとも新人歯医者ではなく、世間の目からみればそれなりに経験を積んだ歯医者であると見られているはずです。何気なく僕が話した言葉が、僕の言葉ではなく歯医者の言葉として周囲に伝わっていく。これは非常に責任重大なことだと思わざるをえません。好き勝手なことを言っていると、それが自分の発言ではなく、歯医者全体の意見として周囲に伝わり、評価されてしまうのです。自分の発言が好印象を与えればいいのですが、何事も悪いことの方が早く、確実に周囲に浸透していくものです。ちょっとした誤解に基づく自分の不適切な発言や話の流れを考えない一部の発言が周囲につたわり、それが歯医者全体の意見となってしまう。非常に怖いことです。些細な自分の発言が最終的には全国に10万人近くいる歯医者の言葉としてすり替わってしまう。そのことを考えると、少なくとも仕事場や公の場での僕の発言は慎重の上にも慎重になっていかざるをえません。

そんな意識を強く持ちつつある僕ですが、最近、自分の周囲を見てみると、これは歯医者である無し関係なくですが、好き勝手なことを言っているなあという人が目立ちます。仲間内ではまだいいですし、僕も酒の席で無礼講のような場合にはつい本音を言ってしまいますが、よく言えば歯に衣着せぬ発言、悪くいえば無神経な発言を平気で連発するのです。側でみていてハラハラしていて仕方がないのですが、当の本人はいたって気にならないというのか平気なのです。

もっと自分の口から出た言葉には責任を持つ。この意識をもっと多くの人が持たないといけないのではないかと強く感じる、今日この頃です。


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