| 2008年06月20日(金) |
究極の前向き志向日記とは? |
この8月で僕は週末以外日記を書き続けて6年を迎えますが、日記とはいうものの、書いている内容はいろいろです。基本的には僕が歯医者であることから、歯や口の中の健康に関すること、歯の治療や歯医者について書くことが多いのですが、それ以外にも周囲で起こったことや世間で起こっている出来事やニュースの感想や思い、自分の妄想などを書き綴っています。このあたりの心境は、吉田兼好が徒然草の冒頭で言っているように
“つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。” でしょうか。
日記を書き続けていると、吉田兼好が徒然草の序文で書いた意味が徐々に心の底から理解できるように思います。
さて。世の中にある日記やブログと言われるものは多種多様ですが、基本的には現在よりも過去に起こったことに対することを書き綴ったものではないかと思うのです。ところが、世の中には奇特な人がいるとでも言うのでしょうか、日記には過去のことを全く書かず、未来のことを一方的に書く主義の人がいるのです。
先日、僕の知人と話をしていると、知人のお父さんが日記を書き続けているという話になりました。多くの人が日記を書いても三日坊主であるのに、その知人のお父さんは書き続けて20数年になるとのこと。僕自身、駄文を書いているだけに20数年書き続けている知人のお父さんの凄さを実感するのですが、お父さんの日記の内容なのです。 知人曰く
「親父はね、今日や明日に起こるであろうことをずっと書き綴っているよ」
とのこと。
何だか以前流行した○○黙示録のような感じがしますが、知人が言うには実に些細な身の回りのことの未来を書き綴っているのだとか。
・今日、家内が郵便局で切手を買う ・息子が玄関前で派手に転倒してします ・孫がお手製にプレゼントを持ってくれる
などなど。
これらのどれ一つとして当たったことがないのが笑えるところですが、それでも書き続けているのだとか。知人がお父さんに理由を尋ねると
「既に終わったことを書いていてどこが面白い?」
僕は知人のお父さんが究極の前向き志向な人だと感じました。過去のことを反省したり、振り向いたりすることをせず、これから自分の周囲で起こるであろうことを積極的に書き続ける。それを20数年間書き続けている姿勢は、まぎれもなく究極の前向き志向、未来志向としかいいようがありません。
周囲からは変人だと烙印を押されるかもしれませんが、常に先のことを見続け、書き綴る知人のお父さんの姿勢に、同じ日記書きとして憧れのまなざしを注ぎたくなった、歯医者そうさんでした。
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