| 2008年06月11日(水) |
マスコミによく出る先生の業界評判 |
先週末、近所の病院に勤務している弟が我が家に遊びに来ました。実家の元自分の部屋に置いている大量の荷物を整理していたのですが、合間に今の医療業界について話をしました。その中で僕は以前から疑問に感じていた弟にぶつけてみました。
「最近、内科医の○○先生や△△先生というのは名医だということでテレビや新聞をはじめとしたマスコミに露出する機会が多いけど、業界の中での評判はどうなの?」
僕の質問に対し弟曰く 「○○病院の○○先生と△△病院の△△先生のことだね。この二人は業界の中ではあまり評判がよくないよ。」 「かなり経験を積んでいる両先生だし、日本の住んでいる人ばかりでなく海外の要人もこの先生の手術を受けたり、反対に外国へ出かけていったりして手術をしているという話だけど。」 「この二人の先生はいずれもかなりの年齢なんだよね。同じ業界の口悪い先生からは、二人のことは『内科界の二大老害』って陰口を叩かれているよ。」 「ベテランということで現場では重宝されているというわけではないの?」 「それはむしろ逆だね。いつまで経っても優秀な若手循環器内科医が上の立場に立てないということでもあるんだよ。以前はそうでもなかったのだろうけど、上の方のそれなりのポジションに着くと、そのポジションから離れたくなり、しがみつきたい気持ちが強くなるのかもしれないなあ。両先生の年齢からすれば後進に道を譲らなければならない年齢なんだけど、それをしていないのは問題だよ。両先生よりも優秀な先生はたくさんいるからね。『老害』と呼ばれる所以だね。
「両先生が行う手術の方法というのは業界では一昔前の術式なんだよ。一昔前の術式が悪いということではないんだけど、いろんな研究結果、臨床経験から業界では技術の革新は日進月歩。これら新しい知識、技術を使ってより良い治療を目指そうとする先生たちが数多くいる。術式がいろいろ出てくるということはいろいろとリスクもあるけども、治療の選択肢が増えるという点では医療側も患者さん側も歓迎すべきことなんだと思う。ところが、両先生はかたくなにこうした動きに対して反発しているのよ。一昔前の術式に固執して一向に最新の治療を正当に評価しない。これは如何なものかと思う。
「最近、マスコミに取り上げられることが多くなり、世間でも両先生の名前はかなり浸透してきているし、二人とも生涯現役を貫くようなことをしているみたいだけど、業界の中ではマスコミで言われる美談とは異なる、古い体質の先生という評価が大勢を占めているよ。まあ、患者さんにとってはどんな先生でも、業界の事情がどうであれ、患者さんの健康を守ってくれる先生であればいいとは思う。だけど、業界の今後の発展を考えなくてはいけない場合、両先生は業界にとって正しい道を示しているか?と問われると、僕は疑問符をなげかけざるをえないよ。」
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