| 2008年04月28日(月) |
歯医者が考える理想の歯医者像 |
幼少の頃、僕は母方の祖父母と一緒に暮らしていた時期がありました。当時、父が大学を辞めて開業した時に重なっていました。父の開業を母も手伝っていたのですが、幼かった僕や弟の面倒は祖父母がみてくれたものです。中でも、専業主婦であった祖母は四六時中、僕や弟を世話してくれていました。父や母がいない中、親以上に僕や弟を育ててくれたのは祖母のおかげだと今でも感謝しています。
そんな祖母がよく言っていた口癖の一つに 「自分が嫌だと思うことを人にしてはいけないよ」 という言葉がありました。 自分が嫌だと思うことは、同じように人様も嫌だと感じるもの。たとえ、他人から嫌なことをされても同じことを他人にしてはいけない。自分がされて良いと思うことを他の人にもしなさい。そのような意味だったと思います。
この言葉、歯医者として患者さんの治療をしている僕のモットーとしている言葉の一つです。正確には、この言葉の逆です。“自分がして欲しいと思うことを人にする“ということです。 もし、自分が歯を悪くした時、その歯を治療してもらうにはきちんと治療ができる、信頼できる歯医者に診てもらいたいもの。大切な自分の体ですから、自分の健康を維持するためには、自分が安心できる人に体を観て貰いたい。
僕が患者さんの治療をしていつも考えることは、患者さんの状態がもし自分の口の中だったらということです。やはりきちんと問題のある場所はきちんと治療をしてもらう。治療を終えてからはどうしてそのように悪くなったのか説明を受け、二度と悪くならないためにはどんなことに注意すべきかアドバイスしてくれる。不幸にして再発した場合には親身になって付き合い、治療につきあってくれる。そんな歯医者を望むのではないかと思うのです。それならば、立場が逆でも僕自身、常に目の前にいる患者さんに対してそのような気持ちでいよう。患者さんの区別無く、自分自身が受けたい治療をしていこう。そうすることが、結果的に患者さんに気持ちよく診療を受けてもらい、結果的に信頼を得ていくのではないだろうか?
そんなことを思いながら治療をしているつもりです。実際、患者さんが僕の診療や態度に対してどのように感じられているのか、本当のところはわかりません。直ぐに答えが見つかるわけもありませんが、少なくとも地道に時間をかけて自分が受けたい治療を実践していくことで、多くの患者さんから信頼を得られる歯医者になりたい。そのように考えながら日々患者さんの治療を行っているつもりです。
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