2007年11月21日(水) |
講演料の相場 歯医者の場合 |
先日、大阪府の太田房江知事の講演料問題がマスコミを賑わしています。何でも太田知事は20日、中小企業経営者の任意団体「関西企業経営懇談会」の会合で1回50万〜100万円の講演料を受け取っていたこととのこと。 「府民の目線からみて理解していただけない点があった。申し訳ない」と初めて陳謝したそうです。問題は単に講演料だけでなく、過去に「関西企業経営懇談会」に所属する会員の会社と大阪府が多額の契約を結んでいたことにも絡んでいるようで、中には太田知事自身が最終決裁していたのだとか。太田知事は退任後、受け取った総額883万円の講演料を府に寄付する考えも示したそうです。
よく著名人がいろいろな会合、催し物に招待され講演を行うことがあります。会合や催し物の目玉として著名人に来てもらい講演を行ってもらうことがあるものですが、著名人の講演料の相場というのは一体どれくらいなのでしょう? いろいろと調べてみましたが、本来相場というものはないようなのです。講演を依頼する人が自由に決めることができるのが講演料なのだそうですが、自由と言われるとかえって迷ってしまうのが常。そのため、会合や催し物を行う業界や団体ではそれなりの基準というものを決めているものです。また、著名人側の方も心得たもので、一回の講演で時間単位でどれくらいといったように、講演の契約を結ぶ際に講演料を提示する場合もあるようです。
先日、某歯科医師会関係の会合で星野仙一を講演に招いたそうですが、1時間余りの講演で200万円の講演料を支払ったという話を伝え聞いています。思わず“高いなあ!”と思ってしまいましたが、星野仙一の過去の実績、人気、注目度を考えると200万円という額は仕方のない額かもしれません。実際の講演では、マスコミでは伝え聞くことができない裏話をいくつも熱く語っていたそうです。
かつて、僕が所属する地元歯科医師会でも講演料の基準をどれくらいにするべきか議論をしたことがあります。地元歯科医師会では定期的に学術関係の講演会を催しています。歯科分野で活躍している講師を招聘し、講演を依頼するのですが、地元歯科医師会のような弱小団体となると出費できる講演料も限りがあります。そこで、講演料に関して内規を決めたのです。
教授クラス 10万円 准教授(かつての助教授)クラス 7万円 講師、助教(かつての助手)クラス 5万円
別途交通費や資料作成費などもつけますが、基本的には上記のような基準を設け、講演料を支払っています。この額が多いか少ないか議論のあるところではありますが、地元歯科医師会の会員から徴収した貴重な会費の一部を講演料に当てているわけですから、これくらいの講演料が高すぎず、安すぎず、会員や一般市民からの批判を浴びることもなく妥当ではないかということになっています。
この基準に照らし合わせると、万が一、地元歯科医師会で太田大阪府知事に講演を依頼すれば、知事は教授クラスとして考えると、10万円しか講演料を支払うことができないことになります。 まあ、太田大阪府知事を地元歯科医師会で講師として呼ぶことはないでしょうし、太田大阪府知事側も相手にしていないでしょうけどもね。
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