歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年08月08日(水) 東京メタボリック症候群

昨日の日記でも書いたように、先週末は東京へ所用で出かけておりました。ここ数年、東京方面は何度か足を運んだことはあったのですが、東京23区内に出かけたのは久しぶりでした。10数年ぶりでしょう。
普段、関西の田舎に住んでいる僕にとって東京の変貌ぶりは驚くばかりです。以前から東京というのはいろいろな意味で大きな町であることは感じていましたが、今回の訪問では更にその感を強く持ちました。さすがに多くの人が集まり、経済がダイナミックに動き、文化の一大発信基地です。
特に驚いたのが、高層ビルの数です。近年、東京は高層ビルの建設ラッシュだということは耳にはしていましたが、実際に見てみると確かにそうでした。最初に降り立ったJR東京駅の駅前には八重洲口側に大きなビルが建設中でしたし、丸の内側には今年4月にオープンしたばかりの丸ビルが見えました。
その後、タクシーに乗ったのですが、タクシーの運転手曰く

「高層ビルの建設は驚くほどのスピードですよ。私もついていけないほどです。」
「汐留の某高層ビルの建設によって東京全体の風向きが大きく変わった」
なんてことも言われていました。“
本当かな?“なんて思っていましたが、汐留方面に出かける最中にその高層ビルを見てみると、“そうかもしれない”と感じた次第。

お台場、汐留、六本木など東京23区内の高層ビル建設ラッシュはすさまじいとしかいいようがないくらいです。かつて東京タワーが見えていたはずの場所から東京タワーの姿が見えなくなってきたくらいです。経済の専門家の多くは、これら東京の高層ビル建設は一種のバブルだと評しています。確かにその指摘は当たっているかもしれません。高層ビル建設はそれなりの需要があって初めて建設されるべきものだと思いますが、それにしても、今までも多くビルがある以上に高層ビルを建設して、
“果たしてペイできるのであろうか?”
“高層ビルとしての機能をフルに発揮できるのだろうか?”
と思ってしまいます。

箱物を作るのはいいのでしょうが、箱物を利用するのは人間です。箱物は人間が使いこなすことにより輝きを増すものです。仏作って魂入れずではありませんが、東京の高層ビル建設ラッシュには高層ビルを建設することだけに熱中し、その後の高層ビル活用にビジョンがあるようには思えないのです。
東京は全国各地から、世界から人や富が集積する大都市ではあります。常にダイナミックな動きがあるが故に文化の一大発信基地でもあります。当然のことながら町の中に新陳代謝が満ち溢れているのが常ですが、それにしても、高層ビル建設ラッシュには行き過ぎのところがあるように思えてなりません。

今の東京の高層建設ラッシュは何者も止めることができない状態に陥っています。建設中のビルは空高く伸びて建てられていますが、そこまで背伸びしなくても良いのではないかと感じた歯医者そうさん。必要以上に背伸びをした結果はどうなるか?ハッピーエンドとはいかないケースが多いように思うのですが・・・。

例えるなら、今の東京は何か町全体がメタボリック症候群に陥っているようなところが否めないのです。メタボリック症候群を予防するためには日頃からの生活習慣の見直しが不可欠なのですが、一体誰が東京の生活習慣を改めることができるのでしょうか?
十数年ぶりの東京都内を訪れ、高層ビル群の建設ラッシュを間近で見た、おのぼり歯医者そうさんは、東京の今後に一抹もニ抹も不安を感じてしまいました。


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