2006年12月15日(金) |
クリーニングタッグははずしましょう! |
昨日、午前中の診療を終えて自宅に戻ると、嫁さんが着替えておりました。午後から上のチビの小学校個人懇談があるらしく、普段着から着替えていたのです。嫁さんの後姿を見た僕は、思わず今話題のザ・たっち風に声を掛けました。
「チョット、チョットチョット。」 「急いでいる時に一体何よ、そうさん。」 「ちこう寄れ!」 「だから一体何なのよ、こっちは急いでいるのよ。」 「文句を言わずこっちに来なさい。そうでないと恥をかくよ。」 「もう」 と言いながら僕の方に寄って来た嫁さんのパンツのベルト通しに手をやりました。 そして、引きちぎったものを嫁さんに見せながら 「こんなものを付けながら街中を歩いていると恥をかきますわよ、奥様 ハッハッハ・・・・。」
僕が引きちぎったのはクリーニングタッグでした。 嫁さんはクリーニングに出していたパンツを今シーズン初めて着用していたようなのですが、クリーニングの際に付けているタッグを取り忘れていたのです。
この手の話は何も嫁さんだけの話ではありません。僕もかつてクリーニングタグをつけた喪服を気ながら葬式に参列し、参列者から指摘されるまでわからず恥をかいたことがあります。これって結構恥ずかしいものですが、指摘してくれた方には非常に有難く感じたものです。 また、逆の話もあります。かつて職場に電車通勤をしていた僕は、同乗車両のOLさんの上着にクリーニングタッグが付いたままであることを気が付きました。OLさんだし、変に指摘して痴漢に間違われても困るしと思いながらも、思い切って他の人にわからない程度の声で声掛けてみました。
「すみません、今お召しになっているコートにクリーニングタッグが付いていますよ。」 そのOLさんはクリーニングタッグを発見するや否や直ちに引きちぎると同時に真っ赤な顔をされ、黙って一礼されました。
クリーニングタッグの話で恥をかいたという意味では、僕の大学生時代の先輩Yさんがかなりの恥をかいていたといえるでしょう。 Yさんは僕の大学にあった合唱団の指揮者でした。ひょんなことからYさんと懇意にして頂いていた僕は、Yさんに合唱団のコンサートの誘って頂いたのです。
コンサート当日、舞台Yさんは舞台上手から颯爽と出て、挨拶をされました。 そしてくるっと振り返り、指揮を始めた瞬間でした。僕の目にはあるものが飛び込んできたのです。それは言わずとしれたクリーニングタッグ。Yさんが着ていたブレザーの裾に真っ赤なクリーニングタッグが付いたままだったのです。誰か指摘したかったのはやまやまだったのですが、合唱団のすばらしい演奏の中で指摘することもできず、とうとう終演を迎えるまでそのままでした。
演奏会終了後、僕は合唱団の一員だった友人にYさんのクリーニングタッグのことを言うと
「うん、合唱団の全員知っていたよ。最初は指摘してあげようかと言っていたんだけど、たまにはクリーニングタッグをつけた間抜けな指揮者というのもいいんじゃないかということになってね。そのまま放置してあげたんだよ。」
何という温かい?合唱団員たちでしょう! 後日、演奏会の写真を見たYさんは激怒したのだとか。
「おい、俺はクリーニングタッグをつけたままずっと指揮をしていたんじゃないか!誰か教えてくれよ。こんな恥かいちゃ、死ぬに死ねないよ!」
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