2006年11月30日(木) |
歯医者も通販全盛時代・お知らせ |
今から10年ぐらい前のことでしょうか、僕の出身大学である某歯科大学時代の友人達と泊りがけの旅行に出かけたことがありました。呑み会の席で話題にあがっていたことの一つに歯科薬品、材料の調達方法のことがありました。
患者さんの治療に際し、歯科医院では数多くの歯科薬品、材料が用いられます。これら歯科薬品、材料の単価は基本的には安くはありません。歯科薬品、材料は日常生活品とは異なり、大量生産されていないことが多く、結果として単価が安くならないところがあります。 一方、歯科医院の経営を考えると少しでも経費を少なくしたいのは経営者の考えとしては当たり前のこと。どうしたら少しでも安く歯科薬品、材料を仕入れることができるのだろうか? 通常、歯科医院では契約をしている歯科材料店があり、そこから歯科薬品、材料を仕入れます。うちの歯科医院も例外ではなく、2軒の歯科材料店と契約し、週3回歯科材料店の担当者が注文を取りにやってきています。こういった歯科材料店は単に歯科薬品、材料の取り扱いのみならず、新規商品、器具の紹介やセールスや情報、評判などを教えてくれ、歯科医院にとっては貴重な仕事上のパートナーと言えます。
呑み会の席では、お互い歯科医院を経営している歯医者同士、意見の交換が行われたわけですが、話題に上がったのは、少しでも歯科医院の経営のことを考えれば、懇意にしている歯科材料店以外の歯科薬品、材料獲得方法を模索しても構わないのではないかということでした。友人の一人曰く
「最近、歯科薬品、材料を扱う通販がいろいろと出てきて、大量に購入すれば今までとは比較にならないくらい安く手に入れることができるよ。」
後日、その友人が教えてくれた歯科薬品、材料専門の通販の会社にコンタクトを取り、カタログを請求すると、非常に分厚いカタログを無料で送ってきました。その中身の豊富さに僕は驚かされました。これだけあれば、懇意にしている歯科材料店がなくても歯科薬品、材料をそろえることができる。 もちろん、歯科材料店とは長年の付き合いがありますから簡単に関係を切ることは出来ませんし、そうする必要もないのですが、歯科薬品、材料を調達する選択肢が通販にもあることに驚かされました。 今では、10年前に友人から教えてもらった歯科材料専門の通販会社はだけでなく、数え切れないほどの歯科材料専門の通販会社が存在します。うちの歯科医院の郵便ポストには定期的に数多くの歯科材料専門の通販会社からカタログやセールの案内が届きます。まさに歯科材利用専門の通販、選り取りみどりといったところでしょうか?うちの歯科医院でもいくつかの消耗品は通販を利用し、消耗品のコストを下げることができています。
その一方、既存の歯科材料店も相当危機感を持っているようで、これまでよりも更に歯科薬品、材料の単価を下げたり、サービスを追加するようなことを対策を立てるようになりました。それは歯医者にとって有難いことですが、懇意にしている歯科材料店の担当者曰く
「通販会社が設定している値段は僕らの業界からすればちょっと信じられないぐらいの価格破壊的な値段設定をすることがあるんですよ。かなり危ない販売ルートもあるようですから、先生も通販は慎重に選ばれた方がいいと思いますよ。」
このコメント。決して負け惜しみだけではないように思います。確かに素性がよくわからない通販会社が存在します。製品の質に問題があってもアフターサービスの対応がいい加減な通販会社も存在します。このあたりは、歯医者が歯科材料通販会社を見る眼力が必要となることでしょう。
さて、話が全く変わりますが、明日より“歯医者さんの一服”日記のURLが変わります。詳細は明日の日記に記すつもりです。ブックマークからいつもアクセスしていただいている方には変更をお願いすることになると思いますが、何卒ご配慮のほどを。
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