My life as a cat
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2020年10月23日(金) 二度と戻れない

医師が処方してくれたサプリメントの効果なのか、ここ数日体が軽くて調子がいい。一挙一動息切れして呼吸が苦しくいのは増えた体重のせいではなく貧血のせいだったのだろう。どうやって出来上がるのかわからないものを体内に入れるのは嫌で、薬はおろかサプリメントだって避けてきた。でも母体の貧血により胎児が死亡するケースもあるという記事を読んで、今だけ、あと2ヶ月だから、と自分に言い聞かせながら飲んでる。

調子がいいとよく運動できる。今日は雨降りで、40分の散歩の代わりに20分の筋トレをした。そしてよく運動ができると、気持ちよく食欲が湧く。妊娠してから味覚はもうめちゃくちゃなのだが、後期に入って今度は苦味と甘味をものすごく敏感に感じ取るようになった。幼稚園児の時ですらやったことがないのに、44歳にして朝のカフェにミルクを入れはじめたのだからどうしたことか。そしておやつは砂糖を入れないものや、極限まで控えたものを手作りして食べてる。外で食べるデザートは大抵甘過ぎて半分食べるのがやっとだ。妊婦はあまり砂糖を摂ると良くないらしいから好都合だ。あとは子供の時に突然嫌いになってそれ以来口にしてなかった納豆を食べてみたら好きになったこと。でもこれは妊娠とは関係ないかもしれない。子供の頃親に与えられたメロン味の歯磨き粉が嫌で、メロンがずっと嫌いだったのに、数年前機会あって口にしたら美味しくて美味しくて、今では夏になると毎日のように食べてるのと同じかも。

今だけ、とか、もう少しの我慢で、とか思うことは多々あるけど、産後に10ヶ月前の自分に戻れるかと考えたら、もう戻ることはないのだと思う。味覚や体型は戻るかもしれないし、戻らないのかもしれない。しかし何よりももうわたしは自分のことを一番に考えて生きてくことは当分ないのだろう。小さな守るべきものができれば当然で、きっと誰もがそうやって子を育て上げていくのだろうけど、わたしは自由で身軽で身勝手な自分に未練を感じないといったら嘘になる。母や妹に言えば、

「そんなの自分の赤ちゃんの顔みたら可愛くて全部忘れちゃうから大丈夫さ」

と笑い飛ばされることだろう。そんなものなのか。想像つかないや。しかし、流れ行く人生の中で"元通り"なんてものは本当は何一つない。元通りと感じることがあったとしたら、それは見知った場所に似たようなところを再度通過してるに過ぎなくて、本当はそれは見たことのない通過点なのだろう。


Michelina |MAIL