My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2020年10月01日(木) サイコパスベイビー

朝早くラボへ妊娠糖尿病の検査へ。妊娠7ヶ月目(フランスのカウントの仕方で)に入ると全ての妊婦は自動的に受けさせられるらしい。このラボはニースの中心地にあって、ここが南仏だと忘れてしまうほどここの人々はみんな本当に機敏によく働く。かといってぴりぴりムードというわけではなくて、いついってもみんな優しくて機嫌がいい。しっかりしていて何か忘れてみたりとか運次第で処遇が変わるとかそういうこともない信頼できるところ。

妊娠糖尿病の検査は、何も食べてない状態でまず採血。それから甘ったるいドリンクを飲まされて1時間安静に待つ。そして2度目の採血。更にもう1時間待って3度目の採血。これで終わり。読書の捗ること。こんなにゆったり読書できたのは久々だ。

ゆったりランチを食べたり、ウインドウショッピングをしたりして、さてちょっと食料を調達して家に戻ろうかとスーパーへ行った。支払いを終えてレジの脇でしゃがんで、荷物をカートの中にアレンジしてしまっていたら、誰かがわたしのお尻を蹴っている。明らかに故意にずっと蹴り続けているんで、振り返るとそこにはベイビーカートに乗っかった2歳くらいの男の子がいた。彼の目は明らかにわたしを睨んでいた。

"Stop!!! Non!!!"

声を荒げると更に彼はわたしを睨みあげる。側で立ってる若い母親は電話に夢中で何も見ていない。彼のお姉ちゃんらしい4歳くらいの女の子が彼を抱きしめながら尋ねる。

「どうしたの?この人に何かされたの?」

男の子はわたしをまっすぐ指さして、睨み続ける。顔をまっすぐ指さされて赤ん坊相手に腹がたった。いや、母親に腹がたったのかもしれないし、自分がこれから産む男の子がこんなことをするような子になったらいやだという思いで腹がたったのかもしれない。とにかくわたしは腹がたった。

「やめなさい!指さすのは!」

それでも母親は電話に夢中。お姉ちゃんもキッとわたしを敵視するように睨んで、

「この人が悪いのね」

などと言う。蹴られたのはこっちだ!と言いたかったが、次の瞬間、この男の子が突然このお姉ちゃんを叩き始めた。ビックリして泣き始めるお姉ちゃん。母親はそれでも電話に夢中。もう呆れてその場を立ち去ったが、背後でドアが閉まるまでの店内から女の子の泣き声が響いていた。

ショックな出来事だった。この2歳くらいの赤ん坊の人を睨む鋭い目が脳裏に焼き付いて離れなかった。子供は天使のように生まれてくるというがこの子は悪魔の子なのではないかと思うくらい邪悪な感じだった。突然他人を蹴ったり、兄弟を叩いたり。どうしたらこんな小さいうちにそうなってしまうのか。こんな小さいと親の教育がとか家庭環境がどうなんてのはあまり考えられない。こういのをサイコパスベイビーというのかもしれない。殺人鬼とかで生まれた時から邪悪で、幼少の頃から虫や動物殺したりして、大人になって人殺すようになっちゃったっていう話がある。研究されているらしいけれど、わたしが見たのはまさにそれだったのでないか。

帰宅して、恐る恐るオンラインで朝受けた検査の結果をチェックする。妊娠糖尿病にかかるとお腹の子が巨大になってしまったりするそうなのだが、妹の子が正にちょっと大きめで検査を受けたと言っていた(結果はネガティブだったらしいのだが)。わたしのお腹の子もまさにちょっと標準より大きめになってしまっていて、遺伝的にもこの検査はかなり不安だった。が、結果、なんら異常はなく、全て適正数字内に収まっていた。食べ物で何が好きって、芋とかごはんとか、とにかく炭水化物が大好き。食べたら食べた分だけ脂肪を蓄えられる危機に強い体なの悪くないが、今は本当に簡単に何でも蓄えてしまうので油断は禁物。体重はすでに9kg増えてしまった。日本では怒られたりする人もいるらしいが、ロシア人のわたしの主治医は"パーフェクト!!"と言っているんで大丈夫なんだろうか。


Michelina |MAIL