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BIOのお店で見かけたフラジョレ(Flageolets)という乾燥豆。若草色に春気分が高揚して購入。どんな味なの?どうやって食べるんだろう?Wikipediaによればフランスが原産の豆で熟成しきる前に摘んで日陰で乾燥させてこの若草色を保ったものだそうだ。半日水に浸けてから潰したにんにくとセージと茹でて味見したら、白インゲン豆と大して変わらない味。半分はそのまま塩と胡椒してスープにして、あとの半分は玉ねぎとクミンシードと炒める。味はやっぱりふつうの白インゲン豆だけど(違いがワカる人にはワカるのかもしれないが)、白餡みたいにして若草色の餡を作ったらきれいかも。それでふわっと白い生地で包んで蒸して、お饅頭だ。想像してとろけた。次回は絶対それだ、そう決めた。
ランチにフラジョレのスープを煮て、フォカッチャとスコーンを焼く。豆を火にかけ、フォカッチャの生地を発酵させてる間に買い物へ出る。店の前で並んで、やっと入店したものの棚はけっこう空っぽ。会計はまためちゃくちゃで直して返金してもらう。思ったより時間を食って、フォカッチャの生地が過発酵してるのを心配しながら走って帰る。この国で暮らしてるとシンプルなことが非常に複雑で非効率で余計な体力を使う。しかし、こうしてやっと口に入る食事の美味しいことよ。デザートは秋に沢山瓶詰めした栗の渋皮煮で作ったロールケーキ。勤勉な働き蟻の労働は、こんな店の棚に食料が乏しい日に報われるのだった。BIOの店で買う豆や小麦粉、、庭のローズマリー、山で拾う栗、近所の人が分けてくれるBIOの飼料を食べて歩き回ってる鶏の卵、なんて贅沢なんだろう。非効率と引き換えにここには良い食べ物が沢山ある。全てが工場でパックされて、プラスチックの容器に詰められて、バーコードがついてたら会計も簡単。裸の青果をキロ売りなんてしてるから、間違いが多いっていうのもある。でも高効率を環境破壊と引き換えにしてるとしたら、それは褒められないね。
南イタリアの食料をめぐる暴挙のニュース、心が痛い。先進国イタリアで。たった数週間経済がストップしただけで、今日のパンにも事欠く人達がいる。コート・ダジュールのレストランで、どれだけの人が皿に半分の食事を残しながらデザートを頼む?ピッツァは真ん中だけつついて耳は捨てる?ボトルで頼んだワインは半分だけ飲んで去る?そこから一日車を走らせれば着いてしまうようなところで、その日食べるのに困ってる人達がいる。計画性なくお金を使ってしまう人達なのかもしれないし、そもそも日々食べるのだけで精一杯な人達なのかもしれない。背景はわからないけど。これからどうしていくんだろう。政府は?フランスだってどうなるのかわからない。わたしとリュカは燃費のいい体を目指して、少食を心がけてる。