My life as a cat
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2019年12月28日(土) A Plastic Ocean

イギリスのドキュメンタリー映画。海に浮遊するプラスティック(バッグやペットボトル)が動物に危害を与えて死に至らしめている、という話は知っていたけど、実際に映像で見たら辛くて辛くて涙が止まらなくなった。人間が海に捨てていくものはもとより、風でゴミ箱から飛んで流されていくものまで、地球上の海にはあらゆるゴミが浮いている。すぐに自然に還元されるものはいいがプラスティックはそうはいかない。大きなものが分解されてマイクロプラスティックとなって小さな魚の口にまで入り込む。人が食べる貝類などにはこのマイクロプラスティックが入り込んでいることが多いらしいから結局人間のお腹にも入っているのだが。オーストラリアの世界遺産に指定されているロード・ハウ島で海鳥の研究をしている博士がいる。博士といっても若くて綺麗な女性。彼女が浜辺で死んでいる海鳥を拾い上げてお腹を切り裂く。お腹の中にパンパンに詰まっていたものは大量のプラスティックの破片だった。わたしにはこの綺麗な博士が鳥のお腹の物を取り出すときにもビニールの手袋など着用せず素手で行っていることが自然への愛情みたいに感じられて、それはとても健気に映った。

自然豊かなフィジーの庶民の開け放たれたキッチンからココナッツの香りと共に漂う鼻につく奇妙な匂い。着火にプラスティックを燃やすのだという。

「これならタダだし」

この発がん性のある煙を吸い続けて、その代償はあまりにも高いということまで考える余裕(あるいは教養)のない人々。自分の母親なら泣いて止める。

イタリアのサルディーニャ島で保護された海亀は大量のプラスチックバッグを呑み込んでいた。クラゲと間違えて食べてしまうのだという。それにしても、イタリアという国は、2012年に既に買い物に使用されるプラスチックバッグを禁止している。イタリアで買い物をすると一見プラスチックバッグのような袋に入れられることがあるのだが、このバッグはコーンからできていて、コンポストに入れてもいいらしい(ただ知人の話では、これも完璧でなくて、うまく自然に還らないこともあるらしいのだが)。フランスでも同様に使い捨てのスプーンやフォークがプラスティックではなくコンポストに入れられる素材でできているものを目にする。

映画の中でプラスティックを多く排出している国として挙げられたのは中国、ヴェトナム、フィリピン・・・ってアジアばかり。日本は入っていなかったけれど、ただの比較に過ぎなくて、わたしの実感ではフランスのスーパーで一つ物を購入すると一つプラスティックのゴミが付いてくるとしたら、日本は一つ物を購入すると三つ付いてくるといったところだ。プラスティック製品にはいつもリサイカブルマークが付いている。しかし実際リサイクルされるのはたった7%。あとはひたすら地中に埋められている。そもそもリサイクルにも大きなエネルギーを必要とするからエコなのかどうかわからない。プラスティックは作り出さないということがいちばん重要だ。自分で好んで買うものは自然の素材でできたものだが、好み云々に関わらずパッケージングに使われたプラスティックを家に持ち帰ってきてしまうことはなかなか避けられない。それでももっとプラスティックを避けることを来年の一つの目標にしてみようと思う。


Michelina |MAIL