My life as a cat
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2018年07月19日(木) プロヴァンスの夏の食卓

日本でも人気のイギリスの料理研究家レイチェル・クー(Rachel Khoo)のレシピに挑戦した。"Little French Kitchen"というフランス全土からの郷土料理が、綿菓子を連想させるようなレイチェル風にアレンジされた料理本のプロヴァンス・セクションにあるレシピ。玉ねぎとガーリックとタイムを炒めたいわゆるピサラディエの具をボトムに敷き詰めて、その上に極薄にスライスしたズッキーニ、ナス、トマトを重ねて置き、オリーブオイルと塩をかけてオーブンでグリルするだけ。お味はシンプルそのもの。簡単なのに見栄えがよくて、冷めて味が落ち着いたくらいのほうが美味しいので、持ち寄りパーティーなんかにいいかもしれない。それにしてもこの一皿はプロヴァンスの風土をよく物語っているかのようだ。この季節にズッキーニ、ナス、トマトが売ってないお店など見たことがないというくらい日常に定着している野菜。ズッキーニやトマトなんかはこの乾燥した気候ではぽんぽんと簡単に生るのだろう、日本よりもずっと安価に手に入る。暖かくなってからバスケットにいつもトマトを山盛り置いてある。よく熟れて皮がはじけそうな感じになった頃を見計らって食べる。そしてまた食べた分だけ補充する。

この料理のサイドにはプルーン入りのカンパーニュと玉ねぎのタルトを。プルーンはクリスティーヌの庭から摘んできたのを3日間天日で乾燥させたもの。タルトに使った卵は近所の人がおすそ分けしてくれるBIOの飼料を食べながら庭で走り回っている鶏のもの。夏はぽんぽんとよく産むらしく、あちこちからお裾分けがある。なんという贅沢。たまに日本食が恋しくなるとナスの味付けは生姜醤油になり、トマトのサラダには胡麻とごま油と刻んだ青ネギと醤油が乗る。アジフライが夢にでてきたこともある。でも、わたしは食いしん坊なだけに美味しいものが豊かに実る土地に暮らせば、大抵のことは許せてしまうようだ。

(写真:料理の背後の窓辺に青々茂っているのは青紫蘇。アマゾン・フランスで種が売っていたのを購入して育てた。近所の人にもお裾分けしたから、この町のあちこちの庭や窓辺で青紫蘇が茂っている。もっさりと見栄えよく育つので食さずとも観賞用として楽しんでたりして、みんな気に入ってくれたみたいだ)


Michelina |MAIL