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2017年12月14日(木) |
Le Calendrier des pompiers |
フランスではエリートで出世街道を行くのは理数系と決まっているというのを読んだことがある。だからたとえばエンジニアなんていうのは高学歴で位が高く生涯生活が保障されている、とかなんとか。
「ねぇ、フランスで人気のある職業っていったらなに?」
とリュカに聞いてみた。
「うーん。。。女の子に圧倒的に人気があるのはね、ポンピエ(消防士)だね」
「ポンピエ!?なんで!!」
「やっぱり鍛え上げられた体でホースから勢いよく水を噴出してるのが強い性の象徴みたいでいいんじゃない?ポンピエとダンス・パーティーとかいうと女の子がわぁ〜って集まるとかいうのも聞くしね。あとね、彼らが年末になるとカレンダー売り歩くの。半裸のポンピエのカレンダーとかあってけっこう売れるらしいよ。そろそろうちにも来るんじゃない?」
「え!!ポンピエがうちに来るの?半裸のカレンダー売りに?」
「居合わせたことないし、カレンダーは見たことないから本当に半裸かは知らないけどさぁ・・・」
こんな会話をしてから数週間、そんな話はすっかり忘れていた。
夜、映画を見ていると誰かがドアをノックする。リュカがでていったのだが、手招きしている。なんなんだ、と行ってみると、制服のポンピエがふたり立っている。ものすごくイケメン。そして手にはカレンダーを抱えている。
「もしよかったらカレンダーを買ってください。いくらでも好きな額でいいので」
さわやかな微笑み。どんなカレンダーなんだい、と中身を見たかったが、中身を見てからやっぱり要らないとは言えなくなるだろう、とひとまずその辺にあった小銭€2渡してカレンダーをもらった。
ドアを閉めるや否やがつがつカレンダーを開く。
「・・・・。半裸じゃない」
半裸どころか、ものすごい真面目な彼らの活動写真のカレンダーではないか。
「いや、そんな責めるような目で見られても。半裸のもあるって言ったけど、この町のポンピエはそういうのやらないのかもね。残念だったね」
「・・・・(睨み)」
イケメン・ポンピエの半裸カレンダーというのが一度見てみたくて期待をかけていただけに妙にがっかりしたのだった。
しかし、女の子にモテるのがポンピエって、さすがフランス。オーストラリアはライフ・セーバーとかだったかな。解り易いセクシーさが好きなんだろうな。日本の女の子に人気の男の職業といったらなんなのだろう。
「彼、公務員で安定してていいよ」
とかいう売り言葉よく聞いた。″セクシー″よりも″安定″というのが日本ではウケる感じなのか?よくわからないが、間違ってもポンピエとかライフ・セーバーとかの肉体ムキムキ系ではないだろうな。