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2017年11月28日(火) |
L'Atelier d'Anglais |
アトリエ・ガストロノミク(L'atelier Gastronomique‥料理同好会のようなもの)で知り合ったドイツ人紳士に誘われて彼の主催する英語のクラス(L'Atelier d'Anglais)に参加した。
「みんな英語のできないフランス人だから君のフランス語勉強にもなると思うよ」
アトリエ・ガストロノミクは、おしゃべりに夢中になって食べ物を焦がしたりする非常にゆるい雰囲気の会なので、こちらもただみんなで雑談するようなところかと思ってバスケットを提げて朝の買い物の途中に立ち寄ったのだが、着いてみると普通の語学学校のような雰囲気だった。先生が前に立ち、プリントを配り、生徒とエクササイズや穴埋め問題をする。本当に初級の初級なのだが、生徒はなかなか真剣できちんと辞書を持ち込み、ノートをとっている。時間にちょっと遅れて、着席するなりプリントを渡され、ここに書いてある内容を織り交ぜて自己紹介をと言われる。
"My name is ***・・・ I am from ***・・・, My age (エェ!年齢みんなの前で公表するの!?、、、ま、いっか) I am ** years old "
と言ったところで先生がすかさず横やりを入れる。
"Excuse me? 31 years old?"
"No, 41"
教室中が沸く。確かにわたしはいつからか成長が止まった感じなのである。肉を食べないせいかと思うふしもあるのだが、36歳の妹は20歳と言っても通用するような見た目なので遺伝的とも考えられる(彼女が22歳の時、オーストラリアに訪ねてきたとき、レンタサイクルで子供用自転車を出されたという可笑しな話もあるくらい)。続いて日本にいた時の仕事のことや、フランスに来た目的などを話した。
前の席にリュカの患者だというマダムが座っていて、親切に英単語を全てフランス語に訳した手書きのプリントを見せてくれる。でも、フランス人のハンド・ライティングで読めない・・・。仕方なく好意だけ受け取り、写すふりだけしておいた。
「今日は身につける物について単語練習しましょう」
"hat" … chapeau!
"mitt…gant!
とやっていく。ハイヒール(high heel)が出てきた。
"アイイール!"
と一番前に座っていたムッシューが発音する。先生がすかさず直す。
"ノー、ハイヒール"
"アイイール!"
フランス語ではH(アッシュ)を発音しないせいか、発音できない人もけっこういるらしい。
次は数字の練習をしましょう。
"Twenty minus eight equals…"
ひとりのマダムをポイントする。
"seven!"
これに思わず笑ったのはわたしと先生のみであった。
最後に雑談。
ひとりのムッシュー「先生、"Black Friday"ってなんですか?わたしは今年初めてそんなものを目にしたんですけど」
先生「ヴァレンタインなんかと同じただのコマーシャルですよ」
ひとりのマダム「先週ニース付近のマーケットに車で行ったらパーキングがなくて車を停めるのに2時間かかり、車を降りると今度は人が多過ぎて目的地に着くまで1時間かかって結局何も買えずに帰ってきたわ」
先生「昔はクリスマスといったら家族が集まって過ごすというイベントだったのに、今では子供達やら孫達全員にプレゼントを用意しなければ家に入れてもらえなくなってしまった。このイベントに頭を抱えている人も多いでしょう」
一同ため息。
先生「日本ではクリスマスはどうするのですか?」
わたし「日本ではこの日は休日ではないのでみんな働いています。ただ日本はアメリカのようなコマーシャルな国なのでこういう時に物売り合戦は加速します。若いカップルなんかだとプレゼント交換をしたり、あとはちょっとしたご馳走を用意したりみんな好きなように楽しみます」
日本やアメリカには及ばずともフランスにも確実にコマーシャルの波は押し寄せているのだろう。英語もフランス語もちょっと初級過ぎて、目指すものとは違ったが、こうやって現地の人々と交流し文化や風習を知るというのも上達へのステップであろう。このまま通い続けようかと思う。
(写真:アトリエ・ガストロノミクで作ったGâteau au chocolat et aux amaretti 。アマレッティのビスケットがあまり好きでないので期待していなかったのだが、ショコラとの相性バッチリ。とびきり美味しいケーキとなった)