My life as a cat
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2017年09月01日(金) たいへんよくできました

アンティーク調のインテリアのイタリアン・レストランで開かれた送別会は自身の希望でグループのメンバーのみ総勢8人で行われた。あちこちで違った会話が飛び交うより、ひとつの話題をみんなで囲みたい、と考えるとこのくらいの人数が限度だ。4月に就任したばかりの新しい上司は本当にスマートだし、人間的に信頼のおける人だ。"みんなのお父さん"のようにひとりひとりをじっと観察し、どうしたらその持ち味を生かしてあげられるのかと考えてくれていたようだ。

「今日は彼を酔わして本音を喋らせようね」

などと朝から企んでいたわたし達は、少し饒舌になった彼がメンバーの印象について本音を話しだすと、その深い洞察力にすっかり感心し聞き入った。

「マネージング講習で習ったんです。マネージャーの役目は"傾聴"だって」

あっ、それだ。みんなが求めているのは。あぁしろ、こうしろ、ではなく、みんなの意見を聞いて誰に何をやらせたらいちばん活きるのか考えたり、悩みを聞いてくれたり。物静かで冷静で決して威圧的な態度や発言はしないけれど、結局みんな彼が好きだから信頼して着いていくのだった。わたしもこんな人になりたい。一見控え目な主張が実は着実に人々の耳に届くような影響力を持つ人。最後に人生の指針になるような人物に出会えたことは幸運だった。

赤ワインを片手に、ピッツァ、パスタとみんなよく飲み、よく食べ、よく喋った。長年に渡って、あぁだこうだと会議では熱い議論を、ほっと一息つく時間には冗談を交わしてきたメンバーとのお別れは寂しかった。

任務をこなすこと、そして優秀だと認められ信頼を得ることを目指して働いた。

「辞められるのは惜しい人材」

"たいへんよくできました"のスタンプを押すように最後に上司がくれた言葉でほっと胸を撫でおろして、心穏やかに次のステップを踏めそうな気がした。


Michelina |MAIL