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農園では夏野菜がすくすくと育ってきた。きゅうりは"食べ放題"かというくらい毎日誰かがくれる。小腹が空くときゅうりに味噌をつけて齧ってみたりする。ハーブは雑草かというくらいもさもさしてるので適当に摘んで色んな料理に入れている。
歩き始めて喋り始めたばかりの男の子がいる隣家は毎日庭のトマトを巡って騒々しい。
「ママのトマトもいじゃダメって言ったでしょ!」
「青いのもいだらもう食べられないんだから!」
「なんでそうやってもいでポイするの!」
トマトもいではその辺に転がして、みたいのがこの年頃の子供には最高に楽しい遊びに違いない。怒られては泣いて、翌日またやる。
窓の外でルーティンワークのごとく律儀に毎日繰り返される親子の怒声とその後の泣き声を聞きながら、小声でクロエちゃんと話す。
「学習能力はクロエちゃんのほうが上だね〜。1回怒られたら1週間くらいはやらないもんね〜」
「ミャオ〜ン」
親ばかぶりはいい勝負なのだった。
完熟のトマトを使って「トラーパニ風にんにくのパスタ」を作った。見た目の地味さとは裏腹に味は絶品。アーモンド、にんにく、トマト、バジル、そしてオリーブオイルをフードプロセッサーにかけ、茹ったパスタを和えるだけ。材料のシンプルさからは想像もつかない複雑な美味さ。和えたばかりもうまいけど、沢山作って翌日また食べてもいい。
デザートはパイナップルのティラミス。フィンガー・ビスケットの代わりに普通のビスケットを、マスカルポーネ・チーズの代わりに、普通のクリームチーズを使うのが自己流。ふわっとしたのよりぼてっとしたティラミスが好きだ。パイナップルとチーズの相性は抜群。
* * * *
今日、大使館からパスポートが郵送で返却されてきた。どきどきしながら封を切ると、現地の移民局用の書類が目に入った。あっ、取れた?とはやる気持ちを抑えながらパスポートを開くとあった、ビザ。書類作成に苦労しただけに受験勉強して希望の学校に受かったみたいな心境だ。こうしてフランスへの引っ越しが決まった。
ビザ申請についてのリサーチで感じたこと。大使館のウェブサイトだけでは不十分だ。ここで一番役立ったのは個人の日記やBLOGだった。わたしももし取得に成功したらこれから苦労する人のためにアップロードしようとメモを残してきた。ひとつの体験談として誰かの役にたてばいいな。これは追々過去の適当な日付のところに差し込んで行こうと思う。