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2017年05月09日(火) |
4 大使館でのビザ申請 |
申請するには大使館のウェブサイトから予約を取らなければならない。これは時期によっては混み合うので早めにとっておいたほうがいいと経験者から聞いたので、書類が揃う3週間前に予約しておいた。あまりしないほうがいいかと思うが、万が一予約した日までに書類が揃わなければ大使館のウェブサイトから予約日の変更もできる。予約したらバーコードの入った予約票を必ずプリントアウトして当日持っていかなければいけない。当日忘れてしまった場合は近くのコンビニでプリントアウトできると思うが。大使館からも5日前くらいにメールでリマインダーが届く。
大使館へ入館するためのバーコードが入ったレシート、申請書類、申請書類のコピー2部、パスポート、申請料金99ユーロ相当の日本円をバッグに入れて、広尾の大使館に向かった。予約の1時間半前に到着。駅の出口で地図を広げたら隣にいた男の子も同じ地図を広げていた。大使館まで一緒に歩いた。彼はホーチミン出身で研究のため広島大学に籍を置いているとのこと。そしてまた研究目的でパリへ2か月滞在するのにビザが必要だとのこと。広島からわざわざ飛行機でビザ申請に来たのだそうだ。指紋認証があるからだろう、どこに住んでいようが、小さな子供だろうが申請者は全員広尾の大使館へ出向かなければいけない。わたしのように近郊に住んでる者はいいが、ビザ申請のために飛行機に乗らなければならない地方の方々は本当に大変だ。どうにかならないのだろうかね。
大使館は駅から5分くらい。早く行って場所をつきとめてから近くのSEGAFREDOで朝食を食べた。このくらい余裕を持って行きたい。
大使館へは予約時間の30分前から入館できる。ビザセクションは大使館の端っこに"別館"のようにちょこんとくっついていて、来館者が他のセクションへはアクセスしないように作られている。セキュリティーの観点からお見事だと思う。荷物検査を受けて中に入る。50平米くらいの7割が待合室。3割のスペースがオフィスになっている。そこに3つ台があり、窓ガラスごしにマイクを使って会話をする。みんなマイクで喋っているものだからうるさい。そして会話は全員にまる聞こえ。入ってすぐにひとりの面接官と揉めてる女性がいた。面接官はタメ口だとか、失礼だとか、上から目線だとか威圧的だとかいうのは聞いていたが、すぐにあぁ、こういうことね、と理解した。そういう感想を持つ人はずっと日本で暮らしてきた人なんじゃないかな。彼らの応対は極めて欧米的であって、愛想の良さとか雰囲気の良さとか誠意とかいう曖昧なフィーリングのところではなく合理性に重きを置いて対応しているに過ぎないのではないか。わたしも仕事中は"結果にコミットする"のライザップ精神だから、彼らの対応に違和感は抱かなかった。だって仕事上ではどんなに雰囲気よく対応してくれる人でもちゃんと結果が出せない人は信頼しない。逆にどんなに感じが悪くてもちゃんと結果を出せば最終的に辻褄が合ってしまう。
時間ちょうどくらいに名前が呼ばれた。ガラスばりの窓口の中に書類を差し込んで、マイクで話す。
「滞在期間は1年でいいですか」
「お知り合いの家に滞在するんですね」
「動機を簡単に口頭で説明していただけますか」
「ビザの期間は保険の期間に準じますけどいいですか」
くらいの確認だけだった。
また少し待って、申請料金を日本円で支払い、今度は10本の指の指紋採取と写真撮影される。レシートをもらいこれで終了。
このレシートはプロセスの進行具合をウェブ上で確認したりするのに必要となるものなので大事に保管すること。
30分ほどで申請は終了となった。
退散しようと書類をバッグにしまっていたら
入館した時に揉めていた女性が違う窓口で再度交渉を試みていた。
「山梨からわざわざいらっしゃったというのは解りますけど、このまま申請しても確実に却下されますよ。ですから、同僚が既に申し上げている通り再度必要書類を揃えてから予約を取り直して申請に来てください」
「でも、そんな書類が必要だなんて大使館のウェブサイトに書いてないじゃないですか」
「それはそうでもとにかくお引き取りください」
どのビザを申請したのかぴんときた。「フランスでフランス人と結婚するためビザ(6か月)」だろう。これを申請した方々の覚書にはからなず、相手のレターや出生証明書などの書類が必要になるとは大使館のウェブサイトには書いていなくて、申請に出向いて初めて知って出直したと書かれていた。このビザ、本当に嫌な予感がむんむんする。大使館はそんな人が続出しているのだろうになぜ記載しないのか。やっぱりあんまり出したくないのかな、こういうビザ。人権の国っていう看板降ろせないから書かないけど、本心は結婚して移民とか歓迎しないんじゃないかっていう空気をひしひしと感じるね。
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