My life as a cat DiaryINDEX|past|will
少し憂鬱になりながら髪を切りに出かけた。シャンプーも雑誌を読むのも大好きなのに、憂鬱なのは長年担当してもらっているスタイリストのことだった。サロンの経営者でもある彼女はとても腕が良くて、何年も通っているだけあってわたしの髪質をよく理解してくれているので的確なアドバイスをくれる。だけどここ半年くらい明らかに様子がおかしいのだった。年齢も考えれば更年期障害かと踏んだのだが、とにかく沈み込んだ雰囲気だったり、機嫌が悪くて客のわたしにまで意地の悪いことを言ったりする。見ていると常連と思われる他の客にも同じようなことをしている。人間だから体や心の具合の悪いこともあるだろうと思ってあまり気にしていなかったのが、さすがにそれが続くとこちらも嫌になってくる。髪はいつも通りに綺麗に仕上がるにしても、高いお金を払って憂鬱な気持ちになるなんて腑に落ちない。そんなことを思いながら店の前まで歩いて決めた。今日行ってまた意地悪なことを言われたらもう次回は違うスタイリストを探そう。しかしそんな決意が伝わったかのように今日は以前と同じ明るくさっぱりとした従来の彼女に戻っていた。店をぐるりと見まわすと休日なのに空いているし、従業員も少なくて人も入れ変わった。何か思うところあって彼女もこれではマズいと思い直したのだろうか。今日は洗いたての髪のシャンプーの匂いにひたすら良い気分で帰宅できてよかった。
Michelina
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