My life as a cat
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2015年05月22日(金) Le ballon rouge

よく働いた一週間の終わり。映画のお供にフランスのワインコンクールで5年連続金賞を獲ったという赤ワインを買って家路についた。テーブルワインに相応しい価格ながら、その中でも格が高いと思われるお味。″良いワインは若いチーズのような芳香だ″と味なんかわかんないでしょっ、ってくらい大酒飲みの同僚が言っていたが、案外それは正しいような気がする。

映画は"Le ballon rouge / Crin blanc (邦題: 赤い風船/白い馬)を観た。1956年のフランス映画。感想はC'est joli!に尽きる。 あまりにもの美しさに涙がでるほど。赤い風船を際立たせる石畳色だけのベルヴィルの町並み、白馬を際立たせるモノクロで表現されたカマルグの湿原、どの場面を切り取ってもそれは美しい絵になる。少年と赤い風船とベルヴィルの町(細い路地ばかりで、迷路みたいな。そしてブーランジェリーには20世紀初頭の流行であるガラス絵がある)、これだけで世紀を超えて愛されるような映画を創作したフランス人って本当に天才ではないだろうか。

″忙しい″が口癖な人にはなりたくないけど、職場では本当に忙しい。無心に働いて、働いて、ふと手を休めて思うことは、青い海が見たいとかそんなことだけ。それ以外に何も浮かんでこない。上司が聞いたらなんと思うか、でも正直、競争力・スピード・能率・売上・・・そんな言葉はうんざりだ。ベターになりたいという気持ちは常にある。会社でもプライベートでも。でもそれは自己完結の話で人よりベターにというのではない。企業は競争なのかもしれないけど、終わりなき競争をいつまで続けるのか、と思ってしまう。答えは″永久に″でしかないのだろうか。わたしはサイレントホイールに乗ったハムスターのようだ。走れば走るほどもっと早く走ることを要求されるような感じ。人間界には愚かな現象が多々ある。


Michelina |MAIL