My life as a cat DiaryINDEX|past|will
″こんまり先生″が日本だけでなく世界進出しているらしい。日本やアメリカのような過剰な消費癖のある国は、物の価値を適正に判断できず、″捨てられない″とか″片付けられない″人というのが沢山いるらしい。幸か不幸か、わたしは人生で一度も友達が沢山欲しいなどと思ったことはないし、バーゲンだからという理由で着もしない服を買うこともなく、とりつかれたように何かを蒐集したこともない(そういう失敗を経験してもいいとは思うが)。″捨てられない″というのは捨てなければいけない(または捨てたほうがいい)物があって、″片付けられない″というのは整理整頓が難しいほど物が溢れているという状態なのだろうから、居住スペースの大きさを考慮して必要な物の範囲をしっかり線引きして取捨選択して暮らすことを当然としてきたわたしには響く話ではない。それどころか、非常に懐疑的なところがある。″画期的な片付け術″の中には思い出の品を捨てろというようなことがよく書かれているけれど、こういうものは個人個人でしっかり吟味したほうがいい。思い出にしがみついて人生を送るべきではないが、時には思い出が前進するための心の糧になるということだってあるのではないか。自分に家族ができた時や年老いた時に同じことが言えるだろうか。少女趣味の愛らしい言葉で″ときめき″やら″お片づけ″に徹して、他人からのプレゼントや思い出の品は捨てればいいと言いきれてしまう″こんまり先生″は、若過ぎて経験が浅いにしても、あまりにも人のあたたかさや人生の苦悩を知らないのではないかと思わずにいられない。
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