My life as a cat
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2014年11月22日(土) FAUCHON PARIS

秋の連休を再びパリで過ごしている。一週間前に突然思い立ってドタバタと準備して夜逃げの如く日本を後にしたのだが、今回は生粋のパリっ子の友人が案内を務めてくれているので、ガイドブックとにらめっこすることもなく、リクエストだけしてあとは着いていくだけだ。

昨夜はPlace de Clichyにとったのホテルの周りを散歩した。パリは都会でもどこか空気がゆったりしていて・・・などとはよく聞くが、わたしの目に映るのは、色んな人種が混沌と入り乱れた街の喧騒の中、カフェテラスでシガーをふかし、ゆったりおしゃべりに耽る人々、その前の通りでは、当たり前のような顔つきで日銭を乞うホームレス、信号が赤だからとぼんやり待つ人はなく、メトロで昼寝をする人はいない・・・東京などより、よほどひんやりと乾いた空気の目の粗い町だ。

飛行機の中で隣に座っていたパリ出身だというムッシュー(ジャン・ロシュフォールに雰囲気の似た小粋な老人だった)が、わたしに″ルーマニアやブルガリアから流れてきたスリが多いから気をつけて″というアドバイスをすると、前に座っていた男がフランス語で何かいい返し、しばらく強い口調で口論していた。移民問題は根深いのだろう。

「人権保護団体が差別だとさけぶけど、ちゃんと勉強して働く気があるなら移民してもいいよ。でも現状は盗みを働いたりホームレスになったりで、町の治安を乱して、さらにフランス人が懸命に働いて収めてる税金が彼らの生活保護に食い潰されてる。そりゃ、こちらの怒りは収まらないよ」

と空港から市内に向かう車の中で友人が話していた。オーストラリアのように移民申請にもっと条件をつけられないのかと尋ねると、土地柄EU圏内はもう国境が曖昧でどこからでも辿り着けてしまうから、もっと複雑なのだそうだ。

さて、早起きして機内のムッシューが美味しいクロワッサンをとおすすめしてくれたマドレーヌ寺院の隣のFAUCHONへやってきた。重々しく薄暗いマドレーヌ寺院の隣でピンク色のネオンが浮き立つなんともおかまっぽい趣味の店構えにちょっと気おくれしたが、1時間近く歩いてきたのだからとクロワッサンとクイニーアマンをいただいた。普通かな。好みによりけり。もっともフランスのコーヒー、パン、チーズなどは″フツウ″のレベルがかなり高いと思うが。

いつもは時間に追われて、常に頭の中で物事の段取りを考えている。これとあれを同時並行でやろうとか、あそこへ行くついでにあれも済ませようとか。だから美味しいクロワッサンひとつのために1時間も歩くような休日はたまらなく愛おしい。



















(FAUCHONの窓から)
















Michelina |MAIL