My life as a cat
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2014年10月10日(金) 人間だからできること

ただの年寄りの戯言のようだが、会話をしながら、目をスマートフォンに落として相手の発した言葉をいちいちGoogleしてるような若者が少なくない。美味しい食べ物の話とか、訪れた町の話とか、その人の目を通して語られる物はWikipediaや他の人の口コミの情報とは別物なのに。そんな風にしていると想像力が脆弱になる。あらゆることにやたら詳しくて、豆知識に事欠かないが、″じゃぁ、あなたはそれに対してどう思う?″という問いには答えられない若者が多い。感受性豊かであることが人間がロボットより優れた点なのだから、もっと長所を大切にしてもいいんじゃないかと思う。

先日、わたしの食卓にも度々登場する器を作っている陶芸作家の吉岡萬里さんが銀座のギャラリーで個展をしていたので訪れた。小さなギャラリーで、彼自身とお話することができた。大事にしていた茶碗を割ってしまったこと、彼に制作してもらいたいものなどを話した。

「色々リクエストをもらってメモして貼っておくんですけど、いざ制作しはじめると夢中でわーっ!とやっちゃって全部忘れちゃうんです」

彼の作風のように″夏休み″のような愉快な雰囲気の人だった。造った人の真剣な顔、仕上がった時の笑顔が想像できる器は格別だ。こういうコミュニケーションができるのが人間の醍醐味だ。


Michelina |MAIL