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銀座松屋で開催されているスウェーデンの陶芸家のリサ・ラーソン展を観に行った。入口付近では″北欧フェア″などというのが催されていて、人でごったがえしている。IkeaもIittalaもムーミンもマリメッコも嫌いじゃないけど、そこまでの北欧ブームもいまいち理解できない。展覧会のほうはそこまで混雑していなかった。リサさんの緩やかな時間と優しく温かな手の温もりが練り込まれた作品の数々、動物も人間もどこか完璧でない歪さが愛嬌で癒される。
なぜが一番インパクトがあったのはリサさんの旦那さんが拾い集めた彼女の「失敗作品」だ。彼女が捨てた物を旦那さんが拾い集めて、石を積んで作られた壁の隙間にはめ込むように置かれている写真があった。好きな人の手で作られたものはたとえ本人が失敗と言おうと、愛しいものだ。そんな愛情物語が詰め込まれていた。わたしが焼いて、床に誤って落としてしまったキャロットケーキを″大丈夫、食べられるよ″と丁寧に埃をはたいてくれたボーイフレンドのことを思い出した。
外は小雨がぱらついていた。デートでくるはずだったのに、急に彼の家族が倒れてしまい、病院からキャンセルの連絡が来たので、一人で来たのだった。こんな日は一人でいることが妙に寂しくて、過去のあたたかかった時間ばかり思い出してみたりする。