My life as a cat
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2014年05月05日(月) 西貢の夜

香港はもう雨季に入っているようで、ずっと小雨が降ったり止んだりすぐれない。尖沙咀のハーバーから中環行きのスターフェリーに乗ってみたものの、曇っているので殆ど何も見えない。中環で美味しい中華粥の食べられるお店を探して歩いた。香港は英語が通じると聞いていたが、歩いてる所が悪いのか全くダメだ。細い裏路地に地元の人々が集っている小さなレストランがあって、食べられそうなお粥があったので入ってみた。写真付きのメニューもないし、わたしは店のお品書きを見ても解らない。お店のおばちゃんは全く英語が通じない。あぁだこうだとやっていたら、好青年風の客が立ってやってきて通訳してくれた。こうしてようやく念願の中華粥の朝食にありつけた時にはもうランチタイムになっていた。油條(揚げパン)と魚の中華粥で26ドルなり(300円程度)。表通りでは地元の若者がパンやらソーセージやら欧米風の朝食を出すもっと値のはるお店にごった返している。裏通りではこんなに安くて美味しいお粥の朝食が食べられるのにもったいないと思うのはわたしが観光客だからだろうか。中華粥の朝食なら毎日でも食べられそうだ。

おなかを満たしたところでトラムに乗ったりして周辺を散歩して、午後は過ぎていった。

夕方同僚が宿泊しているホテルに集合。今夜は同僚Aの香港人の友達アダム君が来て美味しい夕飯を食べに連れて行ってくれるというのだ。このアダム君がとんでもないお金持ちという話は噂に聞いていたのだが、それどころかすごくビジュアルの良いさわやかな青年だった。彼の専属ドライバーがいて、セントラルから30分〜40分離れた香港の東側の″西貢(サイゴン)″という古い港町に連れて行ってくれた。港の周辺をそぞろ歩いて、ミシュランに載ったというそれでもすごくローカルな雰囲気の海鮮レストランに案内された。注文は全てアダム君にお任せしたのだが、でるわでるわ、見たこともないような大きな魚介類。わたしは大きなのはもう動物の類なので、あまり得意ではないが、みんなは舌鼓をうっていた。わたしはミシュランの海鮮より、むしろアダム君に興味津々であった。育ちがよいのだろう、素直そうで、ユーモアのセンスがあり、気の利いたジョークも出来る、難しいことを言わなくても頭の良さが滲み出ていた。会話がはずんでていてもグラスが空けばさっとワインを継ぎ足してくれたり、海老の殻を剥いてくれたり、手が汚れればさっとティッシュを持ってきてくれるような完璧な良いホストを務めてくれたのだった。わたしの目は始終ハートになっていて、同僚達の目にも一目瞭然だったのだろう。同僚Aは、

「ほら、俺の友達はみんなレベル高いから」

と、とても得意気であった。


Michelina |MAIL