My life as a cat
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2014年01月10日(金) すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん

映画「すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん」を観た。原作を書いた益田ミリさんってすごい。どうしてこんなに″普通の30代の独身の女の子″の気持ちが解るのだろう。漫画を売って食べていけるのだから、彼女自身はかなりの成功者でしょう。友達にこういう人がいるんでしょうね、と想像する。わたしの隣にもこんな子達いるもの。キャリアにフォーカスして仕事に打ち込む反面、既婚者と付き合っていたり、仕事も恋愛ものらりくらりで、男性に言い寄られても気付かないくらい鈍感だったり。みんなそれぞれ良い子で、優しい気持ちを持ってて、社会の中でストレスを抱えながらも自分で自分をちゃんと支えて生きてる。他人との接触の中で傷ついたり、言い返したいことがあっても、本音だけ言っていては生きていけないから、ぐっと堪えて何もなかったように暮らして、それが積もってある日発狂して大泣きしてみたりね。配役もいい。柴崎コウさん演じるすーちゃんなんてすごく現実味あった。本当は綺麗なのに、田舎者故にセンスが悪く、髪も服も喋り方もとにかく野暮ったい。対照的に実家が都内のさわ子さんに寺島しのぶさん。ごてごてと飾らないすっきりと洗練された雰囲気が妙に都会的だ。

心にぐさりと刺さったセリフ。

「わたし一つやめる。がんばりすぎちゃったから」

「変わりたい、変わりたいとわたしは思ってる。あんな人になりたい、こんな人になりたい、と色んな憧れがあるけど、それはみんな自分じゃない誰かだ」

「時々考えちゃう。捨てたほうの人生もアリだったんじゃないかなって」

わたしは自分に揺るぎない自信を持ってるわけじゃないし、誰かから羨まれるような人生など送ってないけど、自分じゃない誰かになりたいなんて思わないし、選ばなかった道の先に希望を見出すこともない。でも揺れ動く30代女性の気持ちみたいなものに少なからず共感したりした。

そして猫のみーちゃん本当に良い役割果たしてる。行方不明だったみーちゃんが見つかった時、思わず泣いてしまったもの。猫って本当こういうところあるの。


Michelina |MAIL