My life as a cat
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2013年11月29日(金) 美女と野球

会社の野球部の忘年会へ。野球など見たことがないのに、なぜか退職した同僚の引継ぎで数年前からマネージャーという名ばかりのポジションに置かれ、年の暮れに忘年会に参加するのがもっぱらの活動だ。日頃はシャイな彼らも、酒の席ではよく喋ってくれる。中身は知らないが、リリー・フランキーの著書のタイトルに「美女と野球」というのがあったが、彼らの興味はまさにこの二つに集約されるのではないかというシンプルさを会話の中で感じた。屈折していなくて、まっすぐ、気持ちの良い人々だ。

30代で教授をしているアメリカ人の知人が発した言葉で強く記憶にのこっているものがある。

「僕は人生の中でこれだけはしないと決めてることがあるんだ。それは男達とパブに集って、スポーツと女の話に明け暮れること」

典型的なアメリカの田舎の風景が目に浮かんできたが、そこにすんなり溶け込む気はないのだという彼の人生に対する姿勢の高さをひしひしと感じた。そうじゃなければ、30歳そこそこで教授などにはそうなれるものではないのだろうけど。しかし、こういう非凡な発想を持つと人間はより多く苦悩する。彼にとっては目の前にある″典型的な光景″に溶け込むことも、苦痛であるに違いないが。わたしは彼のような人が好きだし、苦悩のない人生に価値を見出してもいない。どちらがより良いという優劣はないが、「美女と野球」に生きる男達は彼よりもずっと幸福感が漂っている、というのは事実だ。

と、酒のまわった頭でぼんやりそんな感想を持った。孤独に試験勉強に追われる夜の多い年だった。だからこそ、たまにやってくるこんな賑やかな夜は特別で楽しいものだった。


Michelina |MAIL