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2012年10月24日(水) |
カネ目当てとカジ目当て |
夜のテレビで女性の婚活ドキュメンタリーがやっていた。その中でセレブ婚を望む人々のお見合いというのがあった。その婚活エージェントを切り盛りしている女性は自らが70回のお見合いの末にセレブ婚を果たしていて、彼女に見込みがないと思われたらお見合いにすらこぎつけない。それゆえに男女ともひとりめで結ばれるという確率が非常に高いのだそうだ。登録男性は医者や弁護士ばかり。そして彼女の元に面接にくる女の子達はみんなどこか金銭感覚がずれている。
「外食でおごってもらう一回の食事はひとり5000円くらいで十分です。でも彼の誕生日におごるなら1000円くらいです」
「わたしが失業中なのでセレブ婚が希望です。1ヶ月の生活費は150万円くらいでしょうか」
「タワーマンションに住みたいのでセレブ婚希望です。結婚しても仕事を続けたいです。貯金と家の家賃は旦那の給料でして、わたしの稼いだお金は全部自分で使いたいです」
どこまでリアルでどこまでショウなのか知らないが、ここまで観てすでにあきれてしまった。わたしがお金持ちの男性なら彼女達に聞くでしょう。
「では、あなた達にお金をつぎ込むとして僕の得はなんですか」
お金に比例した見返りがあるのだろうか。愛はお金に換算できない?だったらセレブ婚じゃなくてもいいわけですよね。まぁ、お金を持っている男性というのは、それなりに精悍で野心と強い志のある人が多いし、よりよい子孫を残そうとそこにメスが群がるというのは動物として自然なのでしょうけど。
その中でひとり自ら希望したという番組スタッフがいて、彼女はまぁ、地に足のついた感じであったから、医者の男性とのお見合いをセッティングしてもらえることに決まった。ところが、この女性は爪が長く、エージェントの女性がそれは絶対切るようにと指導するも、本人はそれに固執しているようで、どうしても切りたくないという。そして見合い当日結局彼女はその爪のままやってきた。医者との会話もなかなかはずみ、彼女がこの男性に直接爪に関してどう思うかと尋ねた。一瞬長い長い爪を見て表情の固まった医者はこう答えた。
「いやぁ、別にいいですけど。。。それで米が研げますか」
結局お互いにそう悪い雰囲気はなく、交際をしてみましょうということになったのだが、スタジオにいた若くして既婚の女優達までもがみんな口を揃えて爪を切らなければ家事ができないだろう、男性が嫌というなら変わるべきだ、と彼女を諭すのだ。そして結局彼女に、
「爪を切ります」
と宣言させてしまった。わたしは切ない気持ちになった。彼女は39歳。善良な市民としてよく働き、その褒美として爪を長く伸ばしてネイルアートをするなどの自由を満喫してきたのではないか。ここではっきりと若くして結婚した女優達と彼女のようにおそくまでひとり身でいる女性との違いを見てしまったようだ。
男性が嫌だというなら変わるべきだ、と前者は言う。でもこの女性だって最初はっきりと爪を切るのが嫌だと言った。どうして女性が折れるべきなのか。男性だって女性の嫌がることは尊重してくれたっていいではないか。お米なんて泡だて器で研げばいいじゃないか。そもそもどうして彼女がお米を研ぐと決められてるのか。フェミニストの小倉千加子先生は結婚はカネとカオの交換だといったが、カネとカジの交換とも言えるだろう。しかし、結婚がカネとカジの交換だというのなら、わたしはこの戦線から離れて、フレーズを変えよう。
"求む、相乗り!"
(写真:秋はバルコニーでの昼寝が最高!)