My life as a cat
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2012年03月30日(金) A beautiful mind

"過去に見た" ということ以外何も覚えていない映画だったけれど、今のわたしの胸にはじんわりと響いた。プリンストン大学で学び、マゼマティシャンとなり、大学の研究室に身を置きながらその代償として学生に教えなければならないジョン。出だしはひたすら彼の姿が誰かさんと重なって興味深く見ていた。誰って?ひとめぼれ君だ。彼も"I have to teach"とかつぶやいていたっけ。授業を受け持つことがそう嬉しそうではないのもそっくり。まぁ、こういう人々は研究したい一心なのでしょうね。それになんていったって、女の口説き方がストレートなのもそっくりよ。まぁひとめぼれ君はジョンほどステキなセリフは言わなかったけれどね。パブで見かけた女の隣に腰掛け、女の顔を見つめるも一言も声を発しないジョン。居心地悪くなった女が、

"Maybe, you can buy me a drink?"

と促す。そのジョンの答えが傑作だった。回りくどい言いまわしをする癖に内容はあまりにも単刀直入。

"I don't exactly know what I'm required to say in order for you to have intercourse with me, but could we assume that I said all that, essentially we're talking about FLUID EXCHANGE, right? So could we just go straight to the sex?"

んぎゃー!!精液の交換だってさっ。面倒な会話を省いてさっさと精液の交換をしようよってことかいな。女は

"That's so sweet!!!"

とビンタをかましてでていきましたが、わたしだったら落ちるな(笑)。ユーモラスで面白いと思うけどね。
しかし、その後、パブの女にはそんな変人ぶりを見せたくせに、美しい生徒だったアリシアに食事に誘われた時の返事はあまりにも普通(住所を教えてくれれば迎えに行くよ)で、ジョンの俗な男ぶりが見える言動にちょっとがっかりした。でもファーストデートでは頑張って紳士にふるまった彼もデートを重ねるごとに本音がでてしまう。人ってやっぱりなかなか変われない。物事に集中しすぎてデートに遅れてきたと思いきや、女のなにげない一言をしっかり覚えていて女心を突くようなプレゼントを用意してたり。アリシアはジョンの全てを大らかに受け入れて二人はめでたく結婚する。

しかしそこからが苦難のはじまりだった。わたしはあらすじさえ忘れていたこともあり、ここからスパイ劇が始まるのだと思い込み、ジョンが精神病院に収容され今まで見聞きした全てが幻聴・幻覚だと諭された時は、これは軍の陰謀だとすっかり思っていた。

結局は夫婦愛を描いた映画だった。
「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」
「誓います」
という言葉を貫いた立派な夫婦だった。離婚することも大変だというけれど、不幸な結婚生活に縛られ続けることもこれまた精神的に辛いだろう。でも二人で決めて始めた結婚生活、その生活は破れかぶれでぼろぼろのようであったが、二人で一緒にひとつひとつ立て直して修復していくという姿が温かかった。


Michelina |MAIL