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ほんの少しいつもより早起きして、東武電車に揺られ日光へ。待ち合わせの相手はね。。。。。なんと"ひとめぼれ君"です。けっこううだうだ言ってたのにね、飛躍しすぎ。友達が知ったら驚くだろうな。でもやられちゃったんですよ。果敢なハンターに打ち落とされたような感じ。わたしはこういうのを望んでいたんでしょう。会えば絶対楽しいのだから、後のことはもういいや、そんな気になってきて旅行の約束しちゃったんですよ。
日光駅で再会。日光出身の同僚が冬は閑散としてるなどと言っていたけれど、今日は快晴だからか、けっこう賑わっていた。まずは彼の希望の家康の墓を見に、日光東照宮を目指して歩いた。途中でツーリストインフォメーションへ寄ると沢山の雛人形や吊るし飾りが展示されていた。繊細で息を呑むような美しさ、こういう時、日本人に生まれたことを誇らしく思う。今日は日光の茶道の会の人々が無料でお茶を振舞っているというので、いただくことにした。さて、わたし達二人の前にお茶が差し出される。茶碗を二回回して、柄を見て、、、、と説明を始めたのはわたしではなくて、彼。茶道を習っているのだ。わたしは彼に習って飲むだけ。震災後は日光を賑わしていた外国人のツーリストがめっきり減っていたということもあって、あちらの先生はとても喜んでいた。
わたしはいつも外国人と自分の国のどこかへ旅行する時は、その場所の歴史や文化を調べ上げて、ツアーガイドのように説明してあげることにしている。まずそれらの知識があると観光は自分にとっても一段と楽しいし、知りえた知識を英語で説明できるように学習するのも自分にとって大きな収穫だ。それが外国語でなかなか文献の見つけられないようなものとなると相手もとても喜んでくれる。わたしは歴史は得意なほうではなかったけれど、いつも
"It was so fun visiting history with you"
と言ってもらえる。しかし! 今日はいつもと違う。しっかり予習してきたというのに、東照宮に到着する頃には彼の日本の文化や歴史に対する知識ははるかにわたしより上で、説明など必要ないと判断するに至った。それでも予習してきた甲斐があり、彼の投げかけてくる様々な将軍やら武士やらの話題になんとか対応できたから良しとしよう。そうじゃなかったら、この人のこういう知識は半端じゃないから全く着いていけず、退屈させてしまったかもしれないだろうから。
東照宮はものすごく中国を感じさせるような色とデザインで、良い家の出で贅沢を嫌った家康の意思に反して、ちょっと成金ような趣味の悪いところも多々見受けられるというのがわたし達の感想だった。
「これを創った家康の孫なんていうのは、もうすでに成功した親の元に生まれたからぬるくなりがちだけど、家康は違うでしょ。良い家の出で、普通よりは良い暮らしをしていたといえ、そこまで力のある家庭ではなかったのだろうから、自力で這い上がった奴つはいつの時代でも深みのある面白いのが多いよ。」
とは彼。まったくもって同感。先日友人に"わたしは貧しい国から来た優秀な男に弱い"などと話したばかりである。
ちょっとした山道のハイキングも楽しんだら電車とバスを乗り継いで湯西川温泉へ。長い道のりだけれど、だんだんと野山の風景が雪に覆われていくのに心が躍る。わたしはもう何年も積もる雪を見ていないのだから。
旅館は大当たりで露天風呂も部屋からの景色も良かったが、"囲炉裏を囲んで鷹狩料理"という夕食のスタイルがとても面白かった。だってカップルは向き合って食事ができないのだ。わたしは右向き、相手は左向きのような並び方で食事を取るのだ。話しにくくて仕方がないが、料理はどれも美味しかった。
そしていよいよかまくら祭りへ。川のせせらぎと満天の星、いくつもの小さなかまくらに灯された明かり。
「こんな景色は見たことがなかったから、記憶にくっきり焼きつくだろうな。」
と彼。わたしはまたまたうんうん、そうだね、そうだねと頷くのみでした。