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あぁ、一週間も終わったね、明日は何をしようか、チャズとそんなことを電話で話さない金曜の夜は久々だ。わたしは一杯だけ会社の野球部の飲み会へ、チャズは半分仕事の強制スパルタ合宿・・・いえいえ泊りがけの忘年会へ。だから今週末は会わない。そのことにほっとしている。彼といるのは間違いなく楽しい。それに彼はわたしの感情にあらゆる影響を与えて刺激してくれた特別な人だ。
「簡単に夢をあきらめちゃいけないよ」
そう言って、自らが夢を追いかける真剣な背中を見せてわたしを説得してくれた人だ。でも素敵な人だという憧れは、魂が通じ合うような感覚を持つことは違う。過去にそういう感覚を味わってしまったわたしには今の関係では物足りない。かといってこの先こんな感覚を持って付き合えるだろうかと考えると気が遠くなる。会いたいかと言われればいつでも会いたい。でも何が欲しいのかと言われたら答えに困る。チャズがクリスマスにホームパーティを開くのだといって、"One of them"のように軽く誘われたことにほっとしているのが既にわたしの答えなのだろうか。
今週、約3年一緒に働いた同僚が突然解雇された。数ヶ月前からあなたは仕事のスピードが遅い、パフォーマンスが悪い、とミーティング中に公然と指摘されるたびに彼女は落ち込み、傍観するしかないわたしはひたすら吐き気を催していた。50歳で独身、母親と二人暮らし。血圧の薬を飲みながら更年期障害に悩まされる体で新しい仕事を見つけるのは容易ではないだろう。でも働かなければ食べていけない。確かに彼女は仕事のペースが遅くて、その分わたしに負担がかかるというような構図になっていた。でも年齢の違いや人それぞれのやり方の違いもあるし、なによりも公平さを求めるよりも自分のパフォーマンスをいかによくするかを考えるのが賢明と思ってあまり気に留めていなかった。しかし、全体としてのパフォーマンスをいかにあげるかに自分のクビがかかっている管理職はそのことにひどく気を揉んでいた。それにしても、解雇する前にどうしたら彼女のパフォーマンスを上げられるかと苦慮するのも管理職の仕事ではないのか。やがては自分にもやってくる更年期障害の辛さなどを思っては、あまりにもあっさり彼女を切り捨てた働き盛りの男達が疎ましかった。世の中ではたいてい年を重ねれば重ねるほど価値が低いと見なされることが多い。納得いかないが、それが現実だ。体力や容姿が衰えていくのは止められない。だから年を重ねれば重ねるほどそれをものともしない付加価値が必要になる。年を重ねるのも楽じゃない。しかし、そんなことを意識するかしないかによって雲泥の差がでることは年上の人を見れば明らかだ。
(写真;表参道の同潤会アパートの生き残り)