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2011年11月03日(木) |
Captain America |
4連休の初日はこのところお互いにほんの少しいれこんでデートを重ねているチャズの家へ出かけた。プロジェクターがあってミニシアターになっているので、みんなで映画鑑賞をしようということで数人集まっていた。
夕飯はチャズがパスタを作ってくれるという。お母さんはイタリア系だからパスタやピザがおふくろの味だというからさぞかし美味しいのを作ってくれるのかもしれない。いや、でも彼もお母さんも依然アメリカ人。"食"について彼らに淡い期待を抱いて何度裏切られたことか。興味津々で手伝うふりしてキッチンを覗き込む。真っ先に目に入ったのは輸入食材店で買ったらしい瓶詰めのプッタネスカソースだった。もう後者であることほぼ間違いなかった。そしてまたパスタの茹で方がなんともあやしい。まず沸かしている水が少ない。そして沸騰していないうちに塩をとパスタを投入。鍋の前に立って健気にずっとかき混ぜている。煮えるまでずっとかき混ぜるつもりらしかった。ここまででもう結末が見えたので、リビングにひっこんで、スナックを食べながらだべっていた。男の子達がしゃかしゃかとキッチンで準備をしてくれる。
が、でてきたパスタの横にきちんと最後にソースを拭うためのパンが添えられていたので名誉挽回。最後にパンでソースを拭うと"完結"したという気になってちょっとした快感なのだよね。
おなかを満たしたらいよいよ映画鑑賞。光の灯された東京タワーを横目にプライベートシアターで映画鑑賞とはなんとも贅沢な気分。しかし、、、、
映画は誰が選んだのか知らないが"Captain America"というなんとも幼稚なハリウッド映画で、開始から10分でいやになった。誰も声を発しないのでわたしも黙って最後までみた。ひとつだけよかったパートは、ひ弱な体型の青年に年老いたドクターがかけた言葉。
"A strong man who has known power all his life will lose respect for that power but a weak man knows the value of strength, and knows compassion"
生まれつき備わった恩恵に敬意を払うことは忘れがちだ。そして備わっていないものを努力して手に入れた時、人は強く優しくなれる。
映画を見終わって第一声誰かが"よかったね!"というとみんな賛同している。わたしは何も言いますまいとテーブルの上のスナックをめいいっぱい口に詰め込んで喋れないふりをした。
チャズは頭の回転が速く、家族に向けるまなざしが自然でいてとても温かい所、そして他人に対しても良いところも悪いところもひっくるめて冷静に受け止められる度量の大きさが好きだ。そして何よりも一緒にいて楽しい。この年になって自分が変わったと思うことは、一緒にいて楽しいということが何よりも大事で、その他の大抵のことは目を瞑れてしまうようになったこと。10年前だったら茹で過ぎのパスタや映画の趣味の違いなどは致命的だっただろう。
駅まで送ってもらう帰り道に手をつないで、大きなハグをして、小さなキスをした。このキャプテン・アメリカに着いていってもいいかなとじわりとそんな感情が沸きはじめたところで突然、
「お世話になりました」
と言われた。
「、、、、えっ!!!もうこれきり会わないって意味!?」
あまりにも突然で直立不動になるわたし。
"No!!! I wanted to tell you "Thanks for the great time tonight""
んも〜。日本語間違えないでよ。あぁ驚いた。