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忙しく働いた平日の夕方、職場から成田に直行してひょいっとひとっとび、グアム島へやってきた。飛行機を降りて入国審査まで来ると、すでに南国ムードがむんむん。ゆったりとした肉付きのオフィサー達がどしりと椅子に腰を降ろし、どんなに長い行列ができていようとおかまいなし、といった雰囲気で、ゆっくりゆっくり仕事をこなしていた。常夏の島ではこうやってエネルギーをセーブしなければ体力がもたないのだろう。
その日の夜はホテルに着くなり眠りに落ちてしまったが、翌朝目を覚まし、よろよろとバルコニーへでてみると、はっと目が覚めるような青く澄んだ遠浅の海が眼前に広がっていた。コーヒーを淹れ、読みかけの本を持ってバルコニーへ出て、グアムの空気を吸った。わたしは勝手なイメージでグアムはハワイと同じだと思っていたが、大きな違いは湿度だろう。風がよく吹きぬけるから東京のような息苦しさはないものの、湿度は高く、木陰ならうんと涼しいというわけにはいかなかった。今は雨季らしく、夜の間にスコールもあったようで、それが殊更湿度をあげているようだった。
ダミアンが起きてくるのを待って、散策にでかけた。タモン地区というのが一番賑やかな繁華街らしく、端から端まで歩いても1kmくらいだろうと思われる大きな通り上にあらゆるレストランやお店、ホテルが混在していた。車社会らしく、歩行者などはそう見かけず、たまにすれ違うのは大抵日本人観光客だった。車の通りはけっこう激しく、押しボタン式の横断歩道がやたら多く、そして待ち時間がやたら長い。左右確認して信号無視して渡ろうかとも考えたが、ポリスカーがやたらうろうろしているので思いとどまった。また、アメリカとは思えないほど、治安の悪そうな雰囲気は微塵も感じない。ローカルらしい人々も通りすがりにニコリとして"Hi!"と声をかけていく。あとは、車から男が身を乗り出して、"ヒュー!"とホイッスルを吹かれるのもけっこうあった。東京らへんでは女にホイッスルするような度胸なり、興味なり、暇なり、体力なりを持った男は絶滅したので、なつかしい気持ちになった(ダミアンは隣でちと鼻息を荒くしていた)。
午後はビーチでくらげのごとくぷかぷかと浮遊して過ごした。たまには何も考えないのがいいね、と極上の休日を味わった気分でいたが、これが後々大惨事となった。夕方ビーチからあがるとふたりとも体中真っ赤に腫れていた。上からの紫外線に加えて、下からも白砂から反射した紫外線が降り注がれていたせいだろう。こうしてその後の二人の記念写真は、お互い体が触れ合わないようにぎこちなく肩を寄せているものばかりとなった。